表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
流れ星を手のひらに  作者: ただみかえで
第7章 夏休みと合宿と
47/134

第43話 くじ引きと座席

空港まで約3時間。

いつもよりだいぶ早い出発だったので、みんな眠いはずなんだけど、バスの中はずっと賑やかだった。

あ、伊織音先生だけは寝てたけど。


そういえば飛行機なんて、いつぶりだろう。

んっと、まずは荷物預けて、なんか金属探知機みたいなとこ通って…

「飛行機乗る時に靴脱いで、CAさんに靴箱の場所聞くんだよ?」

「…トラ先輩、さすがにそれが嘘だって事は知ってます!」

「ちぇ~、騙されなかったかー」

小学生の頃にお父さんにやられたからね…う、トラウマが!

「え?!靴箱って嘘だったの!?」

と、思ってたら、後ろから悲鳴にも似た叫び声が聞こえた。

「ミクちゃん…」

「だ、だって!

 私初めて乗るんだもの!!」

「しまった、ミクちゃんが信じた所でやめとくんだったー!

 欲を出してすばるちゃんに言うんじゃなかった!」

ふぅ、危うく犠牲者を増やす所だった。

ぐっじょぶわたし!


わいわいとやっていたら、3時間なんてあっという間。

ちょうど、空港についたときにはお昼くらいになっていた。

朝早かったから、ちょっとお腹すいたかも。

「ではお嬢様方、こちらがチケットでございます」

チェックインカウンターの前で待っていると、バスを置いてきた瀬田さんがやってきて、ずら、っとトランプのようにチケットを広げる。

「シャッフルしてありますので、お一人ずつお取りください」

「ふえ?

 トラ先輩、これって??」

「席順決めのくじ引き!

 こういうのあったらおもしれーだろ?」

「たしかに、面白いですねー」

「だろ?

 あ、ちょっと俺トイレ行ってくるから、先引いといてくれ」

「トラ、私も行くわ」

あら、いっちゃった。


おし。

「誰から引いてもいいよね!?」

「ふふ、すばるんからどうぞ」

「えいっ!」

念を込めて1枚引く。


【1列目-H】


…ん?

1列目??

って、ずいぶん前の方なんだなー。

H、ってどの辺なんだろ。

「次、なゆちゃんどうぞ」

「はい」


「おねぇはどの辺?」

次々引いていく中、二番目に引き終わったなゆが聞いてきた。

「1列目のHだって。

 なゆは?」

「私は1列目のKだった」

「ありゃ、HからKだから…4つくらい離れてるのか」

「だね」

他のみんなは…ケイ先輩はどこだろう。

「ケイ先輩どうでしたー?」

「私は、2列目のGだって」

「と、すると。

 近いけど、一つ後ろなんですねー」

「ふふ、そうね」

ちぇ、お隣じゃなかったかー。


「えええ!?なにそれ~~?」

ほんのちょっぴり落ち込んでいた所に、本日二度目のミクちゃんの悲鳴が。

「どうしたの??」

「ああ、すばる。

 なんか、ミクと伊織音先生だけ3列目らしいんだよ」

「ありゃ」

ミクちゃんのチケットを見せてもらうと、確かに


【3列目-G】


と書いてある。

「ちなみに私がこれね」

すっと横から伊織音先生のチケットが差し入れられて―


【3列目-D】


「見ての通り、GとDだから少し離れてるのよね」

伊織音先生もミクちゃんも一人になっちゃうのか…。

時期的に混んでるとはいえ、せっかくなのに寂しいなぁ。


「お?どうした?」

「あ、トラ先輩おかえりなさい。

 実はですね――」



「あー…じぃ、説明してないのか」

「なんの話でございますか?」

「席の配置について、だよ」

「おや、お嬢様が事前にお話をされる、とおっしゃっていたかと」

「……あ!!!」

「…わたくしからご説明しましょうか?」

「いや、いい、俺が話す…」


「えーっと、わりぃ、説明するの忘れてたんだけどな。

 あー……とりあえずこれ見てもらった方が早いか」

そういって差し出されたのが……座席表?

「えっと、1列目だから前の方だよね」

ツーっと指で辿って…

「…あのぉ、トラ先輩?」

「ん?」

「なんかここ、ファーストクラス、って書いてあるんですけど??」

「そうだよ」

「…え?ファーストクラスなんですか!?この席!!」

「そそ」

「え、でも、お母さんが普通の飛行機代より安い、って言ってましたよ?」

なにか特別な割引とかあるのかしら?って。

私は見てもわかんなかったけど、とにかくお母さんが喜んでいたのだけはわかった。

「ああ、それはね。

 朝も言ったと思うけれど。

 トラのお兄様が用意してくれた席なのよ」

トラ先輩のお兄さん、すごい!

「全部で14席あって、とりあえず貸し切った、って言ってたな」

…トラ先輩のお兄さん……やりすぎ……。


「ま、そんなわけだからさ。ひとりぼっち、にはならないから安心してくれよ」

もう、トラ先輩ったら人騒がせなんだから。

「よかったな、ミク」

「…うん」

「ったく、泣くなよ~」

「だって~…」

「よしよし」

ホッとしたのか、涙がこぼれてきたミクちゃんをマキちゃんが慰めている。

良かったね、ミクちゃん。


ちなみに、座席の並びはこんな感じ

      1-D/1-G

1-A/1-C        1-H/1-K

      2-D/2-G

2-A/2-C        2-H/2-K

      3-D/3-G


プライバシーガード、とかいうのが付いているらしく、お隣席よりも通路を挟んだ席の方が近いんじゃないか?ってトラ先輩は言っていた。


そして。

ファーストクラス専用入口とか、専用ラウンジとか(ご飯おいしかった!)、なんだか場違いな雰囲気を感じながら飛行機へ乗り込んだのだった。


いつも応援ありがとうございます★

気に入っていただけたら、評価やブックマークお願いします!


ちなみに。

今回の座席は、ボーイング777を参考にしました★

いつか乗ってみたいものです・・・(笑)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ