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流れ星を手のひらに  作者: ただみかえで
番外編 その2
43/134

番外編2 なゆの映画日記

★今回はなゆのお話です★

『那由多の彼方へ』というブログがある。

そう、私、星空なゆたのブログである。

内容は、本や映画のレビューがメイン。

レビューとは言っても、目的は自分用の備忘録に近い。

だから、アクセス数もそんなにあるわけではないし、別に0でもいいかな、と思ってる。


「あれ。

 コメントが付いてる、珍しい」

ちょうどこの間見に行った『ヘンリーウォルターと死霊のハコ』の超絶音響上映についての記事の所だ。

いつもならテスト期間中は映画なんて行かないのだけど、期間限定、なんて言われたら、ね。

…いや、2回も行ったけど。

おかげでテストの順位もちょっと下がったけど。

でも!

今しかないものを見逃す事、に比べれば、大した事じゃない。

…別にテストなんて1位を取らなければいけないものでもないし。

って、そのままおねえに言ったら――


「私もそんなセリフ言ってみたいなー」

「言いたいなら、言ったら?」

「あのね、なゆ。

 そういうのは、本当に取れそうな人が言うからかっこいいんであって、私が言ってもただの負け惜しみになっちゃうの!

 温かい目で遠くから見守られちゃうの!」


だって。

おねえとは長いこと一緒にいるけど、たまにわからない…。


ちなみに。

ヘンリーウォルターシリーズというのは、小さい頃に親を失い、墓守の仕事をさせられていたヘンリー少年が、15歳の誕生日に強力な死霊使い(ネクロマンサー)の力に覚醒する、というお話で、世界の秘密に関わる『真理の鍵』を手に入れるべく、ゾンビ使いや悪魔祓い師(エクソシスト)などと戦うアクション映画。

今回はシリーズ4作目で、死霊使い(ネクロマンサー)としての力を格段にパワーアップすることができる死霊のハコを巡って、ライバルの死霊使い(ネクロマンサー)に、ハコを保管している聖教会なる組織の神父を加えた三つ巴の壮絶なバトルを繰り広げていた。

で、そのバトルシーンが結構ド派手で、超絶音響上映、ではそこが大迫力!!!になっていたのだ。

あと…っと、いけない。

またおねえに

「なゆは、その映画の話する時はすごい勢いでしゃべるよね」

って言われちゃう。


「あ、この人。

 こないだもコメントくれた人だ」

あの時は、確か公開直後の記事だったかな。

「えっと」


『那由多さんへ、私も超絶上映見てきました。

 やはり、あのバトルシーンで音が前後左右から襲ってくる感じはすごくよかったですよね!!

 2回も行かれた、とのことで、とてもうらやましいです。

 私も、もう1回行けば良かった…!って若干後悔しちゃいました(笑)

 テストがなければなぁ…。


 またやってくれないかなぁ…(笑)


 投稿者:オライオン』


最初にコメントをもらった時も思ったけど、この人も、私と同じコアなファンである可能性が高い。

同じ作品が好きな人、って、周りにいないのでなんか嬉しい。

おねえなんかは、ちょっとホラーテイストがあるから、って一緒に行ってくれないし。

確かに、舞台が墓場で、主人公が死霊使い(ネクロマンサー)なもんだから、お化けやらなんやらはいっぱい出てくるけど。

基本的にはファンタジーだし、怖い、ってことはないんだけどな。


それにしても、確か今回の超絶音響上映って、グラタンモールの映画館でしかやってなかったはず。

その上、テスト、ってことは、もしかして同じ学校の可能性も…!?

…なんて、そんな漫画みたいなことはないだろうな。


「なゆー、ご飯だってー」

「ん、いまいく」

「…お?

 どうしたの?」

「何が??」

「なんか、嬉しそうだよ?」

「そう?」

「うん、顔に出てる」

「む、緩んでた?」

「いやいや、そんなんじゃなく。

 ほら、なゆのことは顔見ればなんとなくわかるから」

「そっか…。

 確かに、私もおねえのことならなんとなくわかる」

「でしょ?」

「うん…あ、でも。

 おねえの場合はすぐに顔に出るからかも」

「えーーーー、なにそれーーーー」

「そういうとこ?」

「う…」

「でも、うん、確かにちょっと嬉しいことあった、かも」

「え、なになに?

 教えてー!」

「えっとね…」


いつかどこかで、会えたらじっくりと色々語り合ってみたいな。

おねえにブログのことを話しながら、そんなことを思ったのだった。


気に入って頂けたら、評価やブックマークをお願いします★


次回から、夏休み編スタートっ!

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