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流れ星を手のひらに  作者: ただみかえで
第6章 期末テストをやっつけろ!
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第34話 大事件発生!?

今日は金曜日。

土日を跨いだらついに試験が始まってしまう!!ってことで、最後の追い込みのために生徒会室へやって来た私だったんだけど。

そこで思わぬ事件が待っていたのだった。


「あ、すばるん、来たわね」

「あれ?ケイ先輩、他の人はまだですか??

 私、日直だったから遅れたと思ったんですけど」

いつもなら満員御礼状態でちょっと窮屈なくらいなのに、今日に限ってケイ先輩の他に誰もいない。

いない、どころか、掃除の時間でもないのに机の上には椅子がひっくり返して乗せられていて、とてもじゃないけど勉強会どころの騒ぎじゃない。

そういえば、先に出たはずのマキちゃんたちもいないのはなんでだろう?

「実はね…」

「お、星空、やっぱりここにいたか」

「へ?伊織音先生?」

ケイ先輩が話し始めるのに重なるように、後ろから伊織音先生に声をかけられる。

「HRで言うの忘れてたんだが、今日は業者が入って床の清掃をするから、私ら教員含めて15時には完全下校だぞ」

「と、言うことよ、すばるん。

 さっきスマホにメッセージで『日直なんで遅れます』って来てたから、きっと伊織音先生が言い忘れたんだろうなと思って待ってたのよ」

15時…!?

って、

「えええ!?もう14時45分じゃないですかーー!!

 せんせー、なんで言ってくれないのーー!?」

全然時間ないじゃん!!

「悪い悪い。

 どうせ部活もないし帰るだろ、と思ってたら、つい、な。

 さっき教室に残ってる子らは追い出してきた時に星空が日誌持ってった、って聞いてな。

 急いで職員室戻ったんだが、もう置いた後だった、ってんで探してたんだよ」

いやーよかったよかった、なんて言ってるけど、先生、全然良くないです…。

「ま、なんでもいいけど、とっとと帰れー。

 私もこのまま帰るしな、テストがんばれよー」

なんでもいいけど、ってなかなかにヒドイセリフだよね…。

しかも、それだけ言ったらくるっと背を向けて行っちゃうし。

「相変わらず、自由ね…」

「ですね…」

ひらひらと日誌を振りながら歩いていく後ろ姿を見送りながら、ケイ先輩と二人で廊下に立ち尽く…いや、立ち尽くしちゃだめじゃん!!

「せ、先輩、帰らなきゃ!」

「ああ、そうね。

 伊織音先生のペースに巻き込まれてる場合じゃないわ」


で。

「どうしましょう、勉強会。

 みんなは帰っちゃったんですか?」

「生徒会室が使えないからね。

 トラ先輩とステラ先輩はお二人で、三人娘も三人で、って別々にやるって。

 誰かの家で集まるには、人数が多いし」

確かに。

全員で9人となると、どこかで、ってわけにもいかない。

かといって、ファミレスとかでやるとお店に迷惑かけちゃうし。

私も家でなゆに聞いてやるかなー…あ!

「しまった、今日は、なゆは例の映画を見に行ってるんだった…」

「例の?

 ああ、傘を買いに行った時に行ってた、あれ?」

「ええ、そうです」

「続編が始まった、なんて話は聞かないけど、試写会とか?」

「そうじゃないんですけど。

 なんか、

『今度は音響にこだわった劇場でやるから行かないといけない!!』

 ってことらしいです」

何回も見ているはずなのに、なんともよくわからない世界だ。

「さすがというかなんというか。

 試験前なのに余裕ねぇ」

「なゆは、昔からそうなんです…」

試験前に必死で試験勉強している姿は今まで見たことない。

普段の授業さえ聞いていれば、予習復習とちょっとの見直しで試験なんていける、って言ってたしね。

しかも今回は、みんなと一緒に勉強会までやっていたし、実際、これ以上やることもないのかもしれない。

「うう、どうしよう。

 最後の追い込みで、いくつか聞きたいことあったんだけど…。

 むーん、みんなで勉強会したから、一人でもなんとかなるかなぁ…」

思い出しながらやれば、きっといける!

かも、しれない!

…気がする…たぶん…。

「全然、大丈夫そうな顔じゃないわね…。

 そうしたら、うち来てやる?」

「へ?ケイ先輩の、お家、ですか…!?」

「そそ。

 夜にはスミカが来ると思うけど、それまでだったら静かにやれるでしょ?」

「い、いいんですか??」

「もちろん。

 両親とも働きに出てるから、邪魔も入らないしね?」

といっていたずらっ子の笑みを浮かべる。

「もう、ご両親を邪魔とか言っちゃだめですよー」

「ふふふ、邪魔はスミカの方よ?

 ひどいなー、すばるんは」

そこが引っ掛けだったかー!

って、

「あの、どっちにしろ、邪魔者扱いはかわいそうですよ…」

「すばるんはスミカにも優しいのね、えらいえらい」

最近、ケイ先輩になでなでされる事が多くなった気がする。

嬉しいけど、ちょっとくすぐったい。

「ケイ先輩が厳しいんだと思います」

「まぁ、付き合い長いしねぇ」

「私となゆみたいな感じですね」

「さすがにそこまで年季は……入ってるわね。

 生まれた病院が同じで、家も近いし…」

「幼馴染ってやつですか?」

「そうね、腐れ縁て言った方が正しいかもしれないけど」

「あはは」

幼馴染かー。

なゆは家族で妹だし、またちょっと違うんだろうなー。




ん?あれ?

なんか大事なことを聞き漏らした気がするぞ?

いや、聞き流しちゃった、かな?

なんだろう、妙な違和感…。


んーっと、ちょっと状況を整理しよう。

まず、


◎今日は生徒会室が使えなくて、勉強会は各自でやることになった

◎3年生組の二人と、天文部組の三人はそれぞれでやる。

◎なゆが、いつもの映画を見に行ってしまったので、家に帰っても聞けない。


それで、ケイ先輩のお家にお邪魔して勉強会をやることになった。

うん、ここまではおかしなところはないな。


で、


◎勉強会には、夜になるとスミカ先輩が来る

◎ご両親がお二人とも働いている


なので、邪魔は入らない、と。

…あ!

あああああ!!!


「って、ことは!!

 え?!ケイ先輩と二人っきりですか!?!?」

「ん?

 ああ、そういうことになるわね。

 なぁに?私と二人じゃ勉強やる気にならない?」

「いえいえいえいえいえいえいえいえ。

 ぜんっぜんそんなことないです!!」

やる気にならないなんてことはないけれど。

集中出来る気がしない…。

でも、ケイ先輩の部屋、見てみたい!!


誤字修正しました。


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