第30話 助けてっ
さて。
当面の問題?は一応決着が着いた、ということで。
新たな問題が発生していた。
とても深刻な…これは……とても私の手に負えない、どうしよう!!!
ガラガラッ
「せーんーぱーいーーー!!!
たすけてーーー!!」
「わっ、どうかしたの?
すばるちゃん??」
「なになに?
また、びしょ濡れに…なってないわね?」
「お?どうした?
すばるちゃんイジメるやついたら、俺がほっとかないぞ?」
「おねえ??
なんかあった?大丈夫?」
放課後。
生徒会室に駆け込んだら、ステラ先輩、ケイ先輩、トラ先輩、なゆ、と頼もしい先輩たち(+1)が勢揃い。
「あ、いえ、その。
すいません、イジメとかそういうんじゃなくて…」
「ならいいけど、びっくりするじゃんよー」
「でも、私にとっては一大事なんです!」
ほっとした様子の先輩ズを見て、ちょっと嬉しくなってしまった。
えへへ。
「それで?
本当に何があったのかしら?」
「あの、ですね…。
来週のテストに向けて、勉強を教えてくださいっ!!」
そうなのだ。
梅雨が明け、一気に夏に近づき、夏休みまであとちょっと!
の、前に。
期末テスト、という大きな壁が立ちはだかるのだった。
一応言い訳をしておくと、自分で言うのもなんだけど、そこまで成績は悪くない、はず。
授業も(できるだけ)ちゃんと聞いてるし、全くついていけてない、わけでもない。
…んだけど…。
ここの所、色々と考え事をしていたり、ぽやぽや浮かれたりしてたら、ほんの1~2週間だというのにちょっと追いつくのが大変になっていた。
高校に入ると中学までとは違うよ、とは聞いていたが、ちょっと油断していた。
「科目は何?
まさか、全部ってことはないわよね?」
「うう、ケイ先輩、そんな目で見ないで下さい…」
「え?まさか本当に全部!?」
「…………はぃ………」
消え入りそうな声、とはこういうものなのだろうか。
自分でも驚くほどへなちょこな声が出た…。
「ねーねー、なゆちゃんさー。
すばるちゃんって、そんな成績悪い感じしなかったんだけど、実はやべーの?」
「そんなことはなかったかと。
でも、ちょっと要領は悪いので、何か他のことが気になってると疎かになる傾向はありますね」
「なるほど。
確かにあまり器用なタイプではなさそうよね」
「そうなんですよ。
あれで、意外と真面目でコツコツやっていくタイプなので」
「ポイントだけ、ぴゃーっとやっちまえばいいのに」
「トラみたくできる人ばかりじゃないのよ?」
もしもーし、お三人方?
せめて少しはヒソヒソやるとかしませんかね?
めっちゃ丸聞こえですよ?
「うーん、私のせいでもあるのか…」
「いやいや!!そんなことないですよ!!
ケイ先輩悪くない!
悪いの私!!」
「ぷっ、なんでカタコトなのよ」
すっごい笑われた…。
「自分でもわかりません……」
「よし、じゃあすばるんを救え勉強会をやりましょうか。
ついでだし、天体観測部三人娘もまとめて」
「いいねいいね。
どうせ、来週からはテスト前期間に入って部活も生徒会も禁止になるし、ここでやっちまおうぜ」
「そうね、みんな一緒の方がお互いに教え合ったりできるし、いいかもしれないわね」
「いいんですか!!!
ありがとうございますっ!!!!」
持つべきものは頼りになる先輩たちっ!
うう、助かったー!
「私も、困ったら聞ける先輩がいるの助かる。
おねえのお守り1人だと大変だし」
「ちょ!なゆ!
なにその『お守り』って!?」
「キノセイ、そんなこと言ってないよ?」
「なーゆー!」
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