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流れ星を手のひらに  作者: ただみかえで
第13章 新しい出会い
133/134

第121話 進級

いよいよ2年生編スタートですっ

PiPiPiPiPiPiPiPiPi……


 朝6時。

 スマホのアラームを止め、体を起こす。

「ん、んーーーー」

 ぐぐっと体を伸ばして、目を覚ます。

 この時間に起きるのは久しぶりだー。

 春休みの間も学校には行ってたけど、さすがにもっとゆっくりだったからね。

 ゆっくりとベッドを降りると、同じようになゆも伸びをしていた。

「なゆおはぁよ~~」

 言いながらあくびが出ちゃった。

「ん……おねぇもおはよ……」

 お行儀悪い、って怒られるかと思ったら、

「ふふ、目が開いてないよ?」

「……ん、がんばる……」

 ……何を?

 どうやら、まだ半分夢の中っぽいな。

 珍しい。

「先降りてるよ~」

「んー……」

 なゆはそんなに朝弱くないはずだけど。

 しばらくゆっくりな生活に慣れちゃうと、急には戻らないみたいだなぁ。


とんとんとんっ


 階段を降りていくと、お母さんが朝ごはんの準備をしてる。

 本当はお手伝いをしたい所だけど、新入生歓迎会が終わるまではちょっとお休みしてる。

 体力的にもちそうにないしね。

「お母さん、おはよ」

「はいおはよう。

 ちゃんと起きれたのね、えらい。

 なゆは?」

「起きてはいるから、もうすぐ降りてくると思うよ」

「そう、ならいいわ。

 顔洗ってらっしゃいな」

「は~い」

 こうやってお話している間も料理の手は止まらない。

 すごく手際もいいし、私もいつかこのレベルになれるといいな。

 がんばろう。


「ごちそうさまでしたー」

「ごちそうさまでした」

「はい、お粗末様でした」

 朝ごはんを食べ終わって時計を見ると7時を過ぎたあたり。

 寝癖も直したし、制服も着たし。

 うん、完璧。


「お弁当、玄関に置いてあるからね」

「はーい」

「ん、ありがと」


 いつもの朝。

 いつもの流れだけど。

 今日から2年生、って思うとなんか不思議な感じ。

 全然実感ないけどね。



プシューーーッ


 校門前に止まったバスから降りる。

「結構空いてたね」

 いつもはそこそこ混んでるのに、今日は珍しく(座れるほどではないけど)ゆったりしていた。

「まだ新入生が乗ってないからね」

「あ、そっか」

 1学年分少ないんだから、そりゃそうか。

 今日は在校生だけで始業式。

 入学式は明日だ。


 うちの学園長はそんなに話が長くないので、さらりと始業式も終わり。

 明日からの連絡だけ軽くHRでやったら、あとは明日の入学式の準備を全校生徒ですることになっている。

 私たちの組は、体育館に椅子を並べる係。

 卒業式もやったけど500脚近くの椅子があるから、ホント大変。


 これが終わったら、新入生歓迎会の準備だ。

 といっても、春休みのうちに大体終わらせてあるから、お昼を一緒に食べて最終打ち合わせをやるくらいなんだけどね。


 あー、それにしても新入生かぁ。

 先輩、とか呼ばれちゃうんだよねぇ……中学の時も思ったけど、全然大人になってないのに不思議な感じだよね。

 だって、どう考えても去年のケイ先輩と同じ学年になったなんて、考えられないもん。

 どんな子が入ってくるんだろう。


 そういえば、去年の入学式の日はなんだかバタバタしてたな。

 朝は迷子になるし(そのおかげでケイ先輩と出会えたんだけど)、入学式が終わったと思ったら突然やってきたトラ先輩に生徒会室に拉致られるし(しかも人違いで!)。

 あれからもう1年なんだよねぇ。

 天体観測部には新入生入ってくれるかな?

 生徒会には新しい子は入るのかな? そういえば、新入生代表の子って生徒会に入る伝統だ、って言ってたけど、今年はどうするんだろう。

 スミカ先輩の件があって、今年は人数少ないし、優秀な(あとミーハーじゃない)子が入ってくれるといいなぁ。

 まぁ私がお手伝いする分には全然問題はないんだけど、そうなるとケイ先輩たちが……あーっと、えっと、そのなんだっけ?


 うっかり、一瞬浮かんでしまった2文字を追い払うように、違うことに頭を巡らせる。


 んっと、えと、そうそう、新入生と言えば、明日の部活紹介大丈夫かなぁ。

 新入生歓迎会の司会をやる代わりにトップバッターをもらったんだけど、別にいっぱい人を集めたいわけでもないし。

 かと言って、誰も入らないのもやっぱり寂しいし。

 結局去年は、先輩方におんぶに抱っこで、私からこれと言った活動もしてないしなぁ。

 新入生が入ったら、そういうのもやっていかないとだよねぇ。


 というか。

 うーん、これ確実になにかある毎に司会役が回ってくる流れだよねぇ……。

 ケイ先輩に頼りにされてるんだし、イヤではないんだけど。

 私、元々表舞台に立つタイプの人間じゃないんだけどなー。


 なんて、あれこれ色んな事を考えている間に、気がついたら打ち合わせも終わっていた。

「すばるん??

 ちゃんと聞いてた?」

「は、はい!

 あ、いえ、すみません……」

 うぅ、怒られちゃった。

「もう、しっかりしてね、すばる先輩になるんだから」

「はーい」

「まぁいいわ。

 明日よろしくね!」

「はい! がんばりますっ!」



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