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白い朝陽に見送られ

続けて読んでいただいて、ありがとうございます。

「眠たい……」


 リカルドのその呟きは、全員の心を代弁していた。


「だいたい、どうしてベルナは夜が明けてすぐから出発する気満々だったんだよ。いつもは最後までダラダラしてるくせに」


 リカルドがベルナに問いかけると、ベルナは拗ねたように唇を尖らせた。


「せっかくベルナがやる気出したのに、そんな言い方ひどくない? 早く出発した方が、早く着いてオリヴィアさんたちも嬉しいでしょ! 褒められるなら分かるけど、文句を言われる筋合いなんてないんだから!」

「まぁ、確かにそうなんだが。お前がちゃんとしてると、なんか気持ち悪いんだよな……」

「いつもは、もっとちゃんとしろって言うくせにー」


 昨日、村人たちから出された条件を知っていたのは、あの場にいたディック、ベルナ、ヴィンスの三人だけだった。

 だから、ヴィンスに迷惑がかからないように、ベルナは朝早くからみんなを叩き起こして出発するように急かしたのだろう。

 それを知っているディックは、あくびを必死に噛み殺しながら、朝の件から話をそらす。


「そういえば、山を下りたら農業やってる村があるって言ってたよな。今夜はそこに泊まれるかな」

「どうだろうな、宿屋があればいいんだが……」


 ディックとリカルドが話していると、ベルナが尖らせていた唇をもとに戻して、きょとんとした顔で首を傾げた。


「あれ? そんな話してたっけ?」

「あぁ、温泉に向かう途中でヴィンスに聞いたんだ」

「へぇ、そうなんだー。また温泉あるといいなー」

「待って、地図見てみる」


 アリアがそう言ったことで、全員いったん足を止める。

 すると、アリアはリュックから地図を取り出して、現在地から進路の方を指でたどる。

 ディックとベルナはアリアの横から、あとの三人はアリアの後ろから地図をのぞき込んだ。


「ここ。コラル」


 アリアの言葉に真っ先に反応したのはオリヴィアだった。


「コラルか。聞いたことがある。確か、王都に食料を供給している村の一つだ」

「へぇ、王都と繋がりがあるのか! なんか、すごそうだな!」


 村という点では、ディックの故郷や、先ほどまでいた場所と同じだが、王都との繋がりがあるのなら、発展していると思われる。

 そう考えて、ディックは期待しているのだろう。


「まぁ、行ってみれば分かるだろ。アリア、今日中に着きそうか?」

「うん。たぶん夕方くらいには」

「そうか。じゃあ、そろそろ行くか」


 リカルドがそう言うと、アリアは地図をリュックにしまった。

 それを確認してから、リカルドが先頭に立って歩きだした。

 そうしてディックたちは、太陽が傾くくらいの時間には山を下り終わった。

お読みいただいて、ありがとうございました。

また読んでいただけると嬉しいです。

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