真っ赤な火の村 6
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サイラスの活躍で、すぐに風熊は全滅した。
それでも、村人たちの態度は変わらなかった。
「あんなアビリティ持ってるなんて危険すぎる」
「やっぱり、お前たちのせいだろ!」
「早く出ていけ!」
みんな口々にディックたちのことを罵る。
「俺たちのせいなんかじゃねぇよ! サイラスだって村を助けるためにアビリティを使ったのに、なんでそんな言い方するんだよ!」
「そうですよ。助けていただいたのにそんな言い方は……」
ディックが叫ぶように発した言葉に、ヴィンスが同意する。
しかし、こんな時に一番しゃべりそうなベルナは、ずっと黙って、拳を握りしめて下を向いていた。
「ベルナ?」
心配したディックが呼びかけてみる。
すると、ベルナは顔を上げ、いつものように笑って見せようとした。
しかし、その笑顔はいつもよりも無理をしているように見える。
「どうしたの、ディック君? 心配してくれたの? うれしいなぁ! でも大丈夫。こういうのよくあるから」
「よくあるって?」
「私の能力的に、よくないことが起きる場所によく行くから、疫病神なんて言われることも多いの。だから大丈夫だよ」
ベルナはそう言うと、村人たちの方に視線を向けた。
「すぐに出て行ってほしい気持ちは分かるんだけど、夜が明けるまでは、ここにいさせてもらえないかな? こんな夜中に女の子を放り出すなんてこと、しないよね?」
「うっ、しかし……」
可愛く首を傾けながらのベルナのお願いに、村人の心が揺れる。
「泊まる場所は、私が提供しますのでお願いします」
ヴィンスが頭を下げ、それにつられてディックも頭を下げると、村のまとめ役のような男性がディックたちの前に出てきた。
「いいだろう。だが、朝になったら出て行ってもらうぞ」
「ありがとう、お兄さん!」
「ありがとう」
そうして、寝床を確保することに成功したディックとベルナは、戦闘をしていたリカルドたちと合流することにした。
最初に目についたのは、オリヴィアとサイラスだったので、ベルナが二人に声をかける。
「おーい、オリヴィアさん、サイラス君!」
村人を避難させていたはずのディックとベルナが、村の奥から出てきたことに、オリヴィアは眉をしかめた。
「ベルナ、避難はどうなった?」
「あー、風熊に邪魔されちゃって、できなかった」
「そうだったのか。それでその風熊はどうした?」
「私とディック君でなんとか追い払ったよー。村の人もけがとかないから大丈夫!」
「そうか。それならよかった」
「それより、サイラス君すごかったね! ね、ディック君!」
「あ、あぁ。ほんとに強いんだな、お前」
褒められたサイラスは照れたように頭をかく。
「みなさん、そろそろ家に戻りませんか? ここは冷えますし」
ヴィンスがリカルドとアリアを連れて来たことで、全員揃ってヴィンスの家へと向かうことになった。
それからディックたちは、食事をごちそうになり、眠りについて、朝日が昇るとすぐに村を後にした。
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