真っ赤な火の村 4
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村の入り口まで来ると、大きな生き物がはっきり視認できた。
大きな生き物、それは風熊だ。
しかも、昼間のように一体だけではなく、集団で村を襲っていた。
その光景を目にしたディックは、カバンの中から剣を取り出しながら、小声でリカルドに話しかける。
「これって、あれか? アップってやつ」
「あぁ、たぶんな」
リカルドはホルスターから銃を抜きながら答える。
二人がそんな会話をしていると、風熊が四人に気が付いたのか、太い木の枝を四人に向けて放り投げる。
それは、風の能力で加速され、すごい速さで四人に迫っていた。
しかし、その枝をサイラスがとっさに叩き落した。
バキっという音を立てて、枝は真っ二つに折れ、地面に転がった。
「ありがとうサイラス。助かった」
「……うん」
リカルドにお礼を言われて照れるサイラスの腕には、枝で切ったのか血が流れている。
「腕は大丈夫ですか?」
「……平気……かすり傷」
「それならいいんですけど、一応治療を……」
サイラスの腕を心配するヴィンス。
しかし、その言葉は、風熊と戦いながら四人の目の前に現れたオリヴィアの声で遮られた。
「おい、帰ってきてるなら手伝ってくれ!」
オリヴィアは剣で攻撃を防ぐので精一杯のようで、押され気味だ。
それを見たリカルドは、銃を構えて狙いを定める。
そして、撃った。
その銃口から放たれた弾は、オリヴィアに当たることなく、風熊の眉間を正確に貫く。
絶命した風熊は、その場に崩れ落ちた。
それを、軽く蹴って動かないのを確かめてから、オリヴィアが四人の方へやってくる。
「状況はだいたい分かるな?」
「あぁ」
「私たちは、住民の避難とモンスターの討伐の二手に分かれている。ディックはベルナを探して避難を手伝い、リカルドとサイラスはモンスターを片っ端から片付ける。これでどうだろう? あと、ヴィンスはディックと避難の手伝いをしてくれると助かる」
「よし、それでいこう。」
「あのー、避難ってどこに避難すればいいんだ?」
「ベルナには温泉の方に避難してお前たちに事情を話すように言ったんだが、会っていないのか?」
「俺たちは誰にも会ってないぞ」
「それならまだ村の中で手こずっているのかもしれない。早く行ってやってくれ」
「あぁ、分かった。行こう、ヴィンス」
「はい。皆さん、お気をつけて」
そう言って、ディックとヴィンスは村の中へと駆けて行った。
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