真っ赤な火の村 3
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ヴィンスは池の近くで待機していると言うので、ディック、リカルド、サイラスは三人で温泉に向かった。
リカルドがお湯に足の先をつけて温度を確かめる。
「おっ、いい湯加減だぞ、二人とも」
そう言って二人に手招きをして、リカルドは温泉に浸かった。
それを見て、ディックとサイラスも温泉の中に入った。
「ラリマーではずっとシャワーだったから、お湯に浸かるのなんて久しぶりだ。やっぱり気持ちいいな」
「ディックの村にも浸かれる風呂があったのか?」
「あぁ、こういう温泉みたいなものじゃないけどな。村のみんなが共同で使ってる浴場があった。水系の能力者と火系の能力者が主に管理してたみたいだった」
「へぇ、そんな村もあるんだな。俺の出身の村はシャワーしかなかったな。サイラスのとこはどうだったんだ?」
「家に……あった」
「家に!?」
ディックは思わず叫んでいた。
その声に少し驚きながらも、サイラスは首を縦に振る。
「うん」
「身内に火と水の能力者でもいたのか?」
リカルドが問いかけると、サイラスは記憶をたどるように遠くを見ながら答えた。
「……雇ってた」
「はぁ……サイラスって金持ちだったんだな」
「でも、それじゃあなんで護衛なんかやってるんだ?」
「そういう、家……だから」
「なるほどな。サイラスの家って特殊な家なのか」
「まぁ……」
だんだんと答え辛そうになっていくサイラス。
それに気が付いたのか、リカルドが立ち上がった。
「そろそろ上がるぞ。これ以上入ってたらのぼせそうだ」
そのリカルドの言葉で、ディックもサイラスも立ち上がってお湯から出る。
そして、布で体についた水滴をぬぐってから、衣服を身に着けた。
全員着替えが終わると、近くで待っていたヴィンスにリカルドが声をかける。
「待たせて悪かったな。もう帰れるぜ」
「そうですか。では、出発しましょう」
そう言うと、ヴィンスは先頭に立って村への道を戻り始める。
三人もその後に続いた。
「温泉はどうでしたか?」
「すっげー、気持ちよかったぜ!」
「そうですか、それはよかったです」
「連れて行ってくれてありがとな!」
「いえいえ、助けていただいたことに比べればこのくらい……あれ?」
ディックと会話していたヴィンスが、突然首を傾げた。
ディックたち三人は、何事かとヴィンスの言葉を待つ。
「そろそろ村の焚き火の明かりが見えるころなんですけど、おかしいですね……」
確かに、今ある明かりは、ヴィンスが持っているランプの明かりだけだ。
村の方の明かりは見えない。
「それはおかしいな。何かあったのかもしれない。急いで戻るぞ」
「そうですね。急ぎましょう」
四人は走り出す。
そしてたどり着いた村では、焚き火が消え、風をまとった大きな生物が歩き回っていた。
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