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緑に囲まれた山道で 3

続けて読んでいただいて、ありがとうございます。

「もう! 私の見せ場を奪わないでよね! でも、まぁ、血まみれにならなかったからラッキーかも。二人とも真っ赤だけど大丈夫?」

「あぁ、大丈夫だ」

「私も」

「そう? でも、見た目はなかなかやばいよ」

「あ、あの……」


 返り血を浴びたアリアとオリヴィアを気に掛けるベルナ。

 そこに、先ほどまで腰を抜かしていた男性が近寄ってきて話しかけた。


「助けていただいてありがとうございました。大したお礼はできませんが、もうすぐ日が暮れますし、私の村で休んでいかれませんか? 血も流された方がいいかと……」

「お風呂に入れるってこと?」


 ベルナはずいっと男性に顔を近づける。


「え、えぇ」

「うわぁ、やったー! お風呂だ、お風呂!」

「おい、ベルナ、まだ決定じゃねぇよ」

「でもでも、アリアちゃんとオリヴィアさんをこのままにしとくのもまずいでしょ? お言葉に甘えよーよ!」


 ベルナが、アリアとオリヴィアの方を指さす。

 リカルドはベルナの指の先、アリアたちの方に視線を向けたが、すぐにそらした。


「……まぁ、それもそうだな。世話になってもいいか?」

「もちろんです! それではご案内しますね」

「あぁ、頼む」


 どんどん話が進んでいく中、ディックとサイラスは完全に置いてけぼりになっていた。

 案内する男性の横にリカルドが並び、その後ろではアリア、ベルナ、オリヴィアが何か話しながら歩いている。

 ディックとサイラスは最後尾だ。


「泊まる場所決まってよかったな!」


 ディックはサイラスとの沈黙に耐えられずに話しかけた。

 しかし、サイラスは返事を返さない。

 じっと自分の右手を見つめていた。


「右手どうかしたのか?」


 さっきよりも大きな声ディックが問いかけたことで、やっと話しかけられたことに気が付いたのか、サイラスが顔をディックの方に向けた。


「力が……。なんでもない」

「なんだよそれ? 力がなんなんだよ?」

「なんでもない。本当」

「じゃあなんで、手なんて見てたんだよ?」


 よほど気になるのか、会話がなくなるのが嫌なのか、問いかけるのをやめないディック。

 だんだん声も大きくなっており、前を歩いていた女性陣が何事かと振り返った。


「ちょっとディック君! サイラス君が自分より年下なのに背が高いからって、いじめちゃダメだよ!」

「ち、違う! 俺はただ……」


 ディックが弁明しようとすると、オリヴィアの視線が突き刺さった。


「サイラスは人見知りなんだ。質問攻めはやめてやってくれないか?」


 オリヴィアの口調はお願いしているように聞こえたが、目は頼んでいるというよりも命令しているときのそれに近かった。


「えっと、すまない」


 オリヴィアの目の力に気圧されたディックはとりあえずサイラスに謝ることしかできなかった。


お読みいただいて、ありがとうございました。

また読んでいただけると嬉しいです。

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