金と黒の訪問者
続けて読んでくださって、ありがとうございます。
「おい、ベルナ! 俺は昨日言ったよな?」
「えー、なんのことぉ??」
「準備しとけって言って、それにお前返事しただろ!」
「覚えてなーい」
ディックとリカルドが支度を終えて、隣の部屋へ行くと、何の支度もできていないベルナがそこにいた。
「もういいから、早く準備しろ」
「はーい」
リカルドに怒られ、しぶしぶベルナは準備を始めた。
そんなベルナを待っていると、コンコンと扉を叩く音が聞こえる。
四人は顔を見合わせた。
自分たちを訪ねてくる人に心当たりがないのだろう。
誰も動かずにいると、外から声がかけられた。
「お客様に面会したいという方がいらしていますが、どういたしますか?」
それは、宿屋の主人の声だった。
「面会って俺たちにか?」
リカルドが聞き返す。
「えぇ、お願いしたいことがあるとか。下の階で待っていただいていますが、お会いになりますか?」
もう一度四人は顔を見合わせた。
「聞くだけ聞いてみたら?」
「そうそう、聞いてみようよ! お金になるかもだし!」
アリアとベルナは乗り気のようだ。
「聞いてみるだけならしてもいいんじゃねぇか」
ディックも賛同する。
そんな三人に、分かった、と頷いたリカルドは部屋の外に声をかける。
「待たせてすまない。すぐに行く」
「分かりました。伝えてきます」
そう言って宿屋の主人は扉から離れていった。
ベルナの準備は一時中断で、四人は宿屋の一階に降りてきた。
すると椅子に座っていた二人の人物が立ち上がった。
一人は金色の髪を頭の後ろで一つに括っている女性だ。
目が悪いのか、眼鏡をかけている。
その女性は鋭い青い目で眼鏡越しにディックたちを見つめていた。
もう一人は、黒い髪と瞳の、大男だ。
リカルドよりもはるかに高い身長に、筋肉質な体。
この男と見比べると、宿屋の扉が小さく見える。
軽く頭を下げた後に、金髪の女性はディックたちに話しかけた。
「突然訪ねてきてすまない。面会に応じてくれてありがとう。町の中で貴方たちの噂を耳にしてここに来た。強いらしいな」
「まあな。その辺の国の兵よりは強いと思うぜ」
「そうか。それなら、やはり貴方たちに頼みたい」
「何をだ?」
「私を、王都まで護衛してくれ」
金髪の女性は頭を下げた。
少し遅れて大男も頭を下げる。
リカルドは困ったように頭を掻いた。
お読みいただいて、ありがとうございました。
次も読んでいただけたら嬉しいです。




