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僕の異世界記(仮)  作者: ぽぽぽぽっぷ
1/1

始まりの朝

ドンッ     ドサ


雨降る道路の真ん中で、自分の体温が下がっていくのがわかる。もう、まぶたを開けない・・・。



00領の際にある村:リオッサ

   チュンチュン  チュンチュン

朝、孤児院から最初に出てきたのは年長の婦長だ。そして、かごの小鳥を払う。

「…今日からあなたもうちの家族よ、・・・あら泣かないわね、この子。」

手馴れた手つきで子供を抱っこする。しかし、婦長は笑みを作るが胸には複雑な感情が取り巻く。

「こんな辺境でもこれで5人目。見ないようにするためにここまで来たのに・・・。」


 空が遠く感じる。風がなでるように冷たく感じる。

「だめね、弱気になっちゃ。精いっぱいやるために、ここまで来たんだから。」

建物に戻る彼女の歩きは、力強かった。




 ん-----ン

ずいぶん長い間寝た気がする。なんだか朦朧とするし、みょうに頭が重い・・・。

僕の名前は、玉城 サトシ 24歳 大学4年 就活中・・・だったと思う。

そして、逃れようのない寒気とともに、意識が消え・・・て・・・・・・・!ってあれ!?生きてる?


我なんか頭で考え事している、ゆえに我、生きてる!?


目を開くが、まぶしい、というよりぼやけていて光があることしかわからない。

だが、まあ、生きてるっぽい・・・。まあ、とりあえず、良かった。



目はまだ使えないが、注意してみると物音が聞こえる。そして、人の声も。が、何を言ってるのかわらない。まだ、耳もぼんやりしているみたいだ。


かなりの時間、ただ寝てすごしていた気がする。これはまさか、植物状態というやつか?

やばい、天使のビートというアニメに影響されて、免許の裏には番号1に○してんだぞ。

得もいえぬ不安が襲う。周りへの迷惑。そしていつ目覚められるのか、というか、そもそも目覚められるのか。そう、僕はまだ到底覚醒と呼べるほど意識がはっきりしていない。



そんな不安が掻き消えるじたいが!なんかお尻がベチョベチョする!うわーー気持ちワリ―!

そうか、植物状態だから、トイレにも!うわーーーー。この状態になって一番意識がはっきりした。ナースの人にどんな顔をすれば・・・、今だけは目は覚めないでほしい。



「マデーラおかあさん、この子声でたよー。」

「あら、ちょっと待って・・・」クンクン「タリア、これでお尻とオムツ洗っちゃってくれる。」


タリアと呼ばれた少女は、これまた慣れた手つきで、オムツをはがし、水の張った桶につけ、茶色の部分だけ洗う。「マーデラおかあさん、なんかこの子すごい変な顔してる。」

 別室で料理の準備をする婦長に届くよう、声を張る。

「最初はそんなもんよー」

婦長は手を休めることなく、声だけ返す。



 冷たい!お尻が冷たい、水か!というか、脇を抱えて持ち上げられてるぞこれ、どゆことだ!?

・・・・というか、植物状態って、触覚ってあるんだっけ・・・?

車椅子バスケの”現実”を描いたマンガじゃ、神経麻痺は、痛覚とか、触覚もじゃなかったか?



そして、今ちょっと声出たぞ・・・「ぁああっ」  !

声が出る!「おあおー(おはよー)」が、上手くしゃべれん!、が、声は出る!(意思伝達はできる)




なんか希望が見えてきた!(気がする)



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