心の迷い
桐「付き合う?」
野「・・・は?」
いきなりの告白ですか・・・。
精神的にちょっとキツイかな。
野「いやいやいやいや、噂に聞いたけど、河野君かなり女遊びしてる
らしいじゃん。今まで付き合ってきた女の子達悲しむよ?」
桐「別に本気で付き合った奴なんていねぇよ。」
いや、だとしてもさぁ・・・
野「なんでいきなり?」
桐「本性見せれる人って長くやっていけそうだし?」
やっぱ見た目とかはないか。
ちょっと期待した自分がバカだ。
野「ごめん、流石に会ったばっかりの人と付き合うのは・・・」
桐「じゃあ好きにさせてやるよ」
よくもまぁ、そんな大胆なこと言えるね。
桐「今から空いてる?」
え?
野「別に、用事はないけど・・・・。って、
あん・・・河野君カラオケ行くって約束してたじゃん!」
桐「あ?そういやそうだったか。別にいいよ。
あんなのごめんね用事出来ちゃったで済ませるし」
随分酷いな・・・
野「あのさ、付き合う?とか聞いてきたけどさ」
桐「なんだよ」
野「河野君は私のことどう思ってるの?」
何も思ってないとか言ったら殴り蹴散らすけど。
桐「チビで可愛くて話しやすい奴。」
なっ・・・チビ!?
野「チビっていうな!成長期がまだ来てないだけだわ!」
桐「高校1年になって成長期も何もねぇだろうが。」
野「うっ・・・」
ムカつく。ムカつくムカつく!
桐「お前今日暇だよな?うち来いよ。」
えぇぇぇ・・・・
野「なんで急に、しかも家なの・・・?」
桐「大丈夫だよ親いねぇし」
いやいやいやいや!
野「そっちの方が大丈夫じゃないっての!」
桐「別に、お前が俺のこと好きになるまで、
手出さねぇよ」
信じられない。この人は信用できない!
野「せ、せめて外出しよ?ね?」
桐「じゃあ、ゲーセン行くか?」
あ、それならいいかも
野「行く!」
桐「ははっ、やっぱ小学生だ」
野「はっ!?小学生じゃな・・・い」
桐「・・・?」
こいつ・・・笑ったらこんな顔するんだ。
可愛い・・・かも。
野「えっ?あ、い、行こ!」
桐「おう、金ある?」
野「もち!」
なんか、楽しいかも
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野「わー、ゲーセンなんて何ヶ月ぶりだろー!」
ずっと前に莉奈と行ってからほとんど行ってないなぁ
桐「そんなに行ってなかったの?まぁいいや、取り敢えず遊ぼうぜ」
野「うん!」
夕方まで遊びつくした結果・・・・。
野「何これ・・・・」
桐「お前の為に取ってきてやったんだよ」
でっかいクマのぬいぐるみ・・・
野「まるで子供じゃん!」
桐「いいじゃんお前は中身も見た目も小学生だし」
イラッ
野「ばーか!」
桐「じゃあぬいぐるみいらないか?」
うっ・・・・
実はこのぬいぐるみ、入るときにずっと気になってた奴だ。
野「い、いるっ・・・!」
桐「だろ?もう遅いし帰るか・・・」
野「う、うん」
あー、楽しかった!
桐「あ、こっから俺の家近いし寄ってくか?」
え、ど、どうしよう。
桐「別にこのまま帰ってもいいよ?」
え、えっと・・・
野「お邪魔しよう・・・かな・・・」
言っちゃった
桐「おう!」
またそうやって楽しそうに笑う。
私はこいつの笑顔が好きだ。
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野「お、お邪魔しまーす・・・」
わー、男の人の家って初めて・・・
桐「まぁ、座っといて。あ、この前借りたDVD一緒に見る?」
野「あ、うん!」
・・・・・えぇ
野「なんで恋愛ドラマなんて借りたの?」
桐「これの原作の小説が好きなんだよ。」
へぇ・・・以外なところもあるんだ
ザー
野「あ、雨降ってきたね。」
桐「ホントだ。よし、送ろっか?」
なんだ、以外に紳士じゃん
野「いいよいいよ、傘貸してくれれば!」
桐「あぁ、そっか」
ゴロゴロゴロゴロ
野・桐「・・・・え?」
『えー、只今、台風11号が西日本に上陸したようです。
今年一番強い風が吹くでしょう。外出の際には気をつけて・・・』
野「・・・・・・まじかぁ・・・・」
台風はキツイかな・・・
桐「これじゃ外出るのも危ないな・・・。」
野「どうしよう。」
桐「お前の親さえよかったら泊まってくか?」
そんな軽く言えるもんじゃないよね
野「ど、どうしようかなぁ・・・」
連絡とかしないとだよね。
桐「電話なら俺がしとくぞ?」
こいつ・・・以外に優しいじゃん。
ここはお言葉に甘えようかな。
野「じゃ、じゃあお願い・・・」
桐「電話番号教えてくれる?」
野「あ、えっとねー・・・・・」
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桐「あ、お前先風呂入ってこいよ、沸かしといたから」
野「おー、ありがと!ほんと、何から何までごめんね」
布団まで用意してくれたんだ。ちょっと申し訳ない
桐「別に気にしなくていいんだよ。さっきご飯作ってもらったお返し!」
うっ・・・だからその笑顔は私が耐え切れなくなる・・・
野「い、行ってくるね!」
桐「おう!」
シャー
野「はぁ・・・」
私アイツのこと・・・
好きかもしれない