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St.Rumento
「青い薔薇」
微熱は懐古をひきつれて
枕のそばに横たわる。
青い薔薇が風にゆれる。
わたしのうまれた日に
大輪の花をともす蝋燭。
――その灯を吹き消さないで
嵐よ。人よ。
よあけの微熱ともう少し
抱きしめ合っていたいから。
◇
「楽器」
どうせなら楽しく
どうせなら
いや、いかようにも
ならないこともある
それでも
どうせなら楽しく
と
つぶやくと
楽しさがやってくる
音もたてずに
なぜならそれは
いつもあなたのものだから
◇
「楽譜」
あたしの言葉は あなたのこころ
あなたのこころを うたうところ
あたしの言葉は だれかのところ
あたしのこころを うかべるところ




