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Sync.  作者: 路瀕存
S
2/9

Sync(2)

今宵わたしはいかように歩けばいい

軋む胃の奥にしゃがみ、

染みだす珈琲に溺れながら

両手で

両手で顔を押さえて、

ふかく

ふかくにちぢこまり

喉いっぱいに叫びたい

泥沼の空へむかって

はりあげて

かぶりをふり、

掻き毟り

ひざを抱えてうずくまり

ちからいっぱいに

叫びたい

篝火のない仄暗い井戸にも

追憶から疋音がざわつく泉にも

こだまの響かぬ山へも

どれもに

報せることもなかった筈の

雄鶏の徒言を

わたしも理性も、

そのわたしを止めはしなかった。

一緒に

叫んでやりたかった。

参考文献:

 宮部みゆき『名もなき毒』幻冬舎,2006年.

 T.S.エリオット著・岩崎宗治訳『四つの四重奏』岩波文庫,2011年.

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