だぁれ?
黒の世界の続きです。
暗いし、残酷な表現が入ってくるので苦手な方は、ご注意ください。
友人と話しこんでいたら遅くなってしまった。
夕子は駆け足で、そして慎重に家路を急いでいた。
住宅地は街灯があるが人通りが少ない。
少し不安に思いながら足を進めていく。
夕子は携帯で話ながら歩くと防犯にいいと言う事を思い出した。
鞄から携帯を取り出し夫のアドレスを呼び出す。
「そういえば出張に行ってから一回も連絡がないわ。
少し言ってあげなくちゃ。」
それから携帯に電話をかけ始めた。
コール音が続く。
でも、彼がそれに出ることは無かった。
「全く、私からの電話は出てって言ってるのに。」
夕子は諦め、携帯を鞄にしまった。
だれもいない道を進んでいく。
もう少しで家につくと言うと所に急な階段がある。
それを考え夕子は嫌な気分になった。
妊婦な自分には怖い階段。
あの階段があるから遅くならないように気をつけていたのに。
「子供が産まれたら引っ越すようにしましょう。
あの階段は子供には危険だし。」
夕子は彼が帰ってきたら相談しようと決めた。
でもなぜ彼はこんな場所に家を決めたのだろう。
駅からも少し離れているのに。
疑問に思ったが、とうとうその場所についてしまった。
夕子は一息吐いて慎重に一段目に足を下ろした。
その時、背中が押されたのが分かった。
何も考えられなかった。
分かるのは、自分が落ちていくことだけ。
せめて自分を押した人の顔を見ようと思っても暗くて分からない。
考えられたのはそこまでだった。
あとはもう黒しか分からなかった。
夕子が完全に動かなくなったのを見て
その人はその場を離れた。
この場所は人通りが少ない。
夕子はこのままになるだろう。
「自業自得」
その言葉を残してその人はその場を去った。
夜明けの晩に
鶴と亀が滑った
うしろの正面だぁれ




