ステルス幼女は見た!〜4歳の春〜
こんにちわ!
私はプリム・ユロー、4歳です。
ユロー伯爵家の長女です。
私の家族は、お父様とお母様です。
お母様のお腹には、もうすぐ生まれる弟か妹がいます。
あと、たくさんの使用人さんもいます。
私はまだ小さいので、よくお昼寝をします。
お母様が一緒に寝てくれます。
寝る子は育つって、爺やが言ってました。
お母様もお腹の子も育つのでしょうか?
なので、時々夜中に目が覚めます。
目が覚めたら、部屋を抜け出します。
夜のお屋敷は、探検みたいで楽しいのです。
冒険のコツは、誰にもにも見つからないことです。
見回りの人が来たら、そっと影に隠れます。
私は小さいので、見つからないんです。
時々イタズラもします。
後ろについて行ったり、わざと音を立てたり。
驚かすのは楽しいです。
でも爺やも婆やも、全然驚いてくれません。
驚いてくれるのは、若い侍女さんや侍従さんだけです。
ちょっと残念です。
私は極たまに、見てはいけないものを見てしまうことがあります。
私はお姉さんになるので、見て良いものと見てはいけないものが、ちゃんとわかるのです!
見てはいけないのは、お父様とお母様が仲良くしてる姿、若い侍女さんと侍従さんがチュッチュしてる姿。
私はバレないように、そっと離れます。
そしてすぐに忘れます。
朝ごはんと夜ご飯は、お父様とお母様と一緒に食べます。
昼ごはんはお母様と一緒です。
お父様はお外の仕事に行っているので、昼は家にいません。
寂しくは……ありません!
だってもうすぐ、お姉さんですから!
一人でも大丈夫です。
お母様は、褒めてくれました。
お父様は、なぜか悲しそうでした。
しょんぼりした耳と尻尾が見えました。
でもお父様に尻尾はないはず。
どうしてでしょう?
「お母様、お父様に耳と尻尾が見えました!」
「実はね、これは秘密なんだけど、お父様はイヌなのよ。」
「そ、そうだったんですか!?」
「ええ。でも秘密だから、お父様に聞いちゃダメよ。」
「わかりました。聞きません。内緒です!」
新発見です。
びっくりしました。
爺やと婆やに聞いたら、二人も頷いていました。
やっぱり、イヌみたいです。
外の仕事が休みの時は、お父様はお母様にベッタリです。
私のお母様なのに、ずるいです。
夜は毎日、お父様の独り占めなのに。
お父様はずっと仕事をしていたらいいと思います。
でもお母様は嬉しそうです。
悔しいです。
今日はソファに座ったお母様の膝の上に、お父様が頭をのせています。
侍女さんに、あれは膝枕だと教えてもらいました。
休みの日のお昼は、いつもああしています。
ずるい。
お母様のお腹に顔を寄せて、ギュッと抱きついています。
なんだかお父様からゴロゴロって聞こえます。
ネコの声に似ています。
お父様はイヌではなく、ネコだったのでしょうか?
お父様がいない時に、お母様に聞きました。
「お母様、お父様がゴロゴロって言ってました。イヌではなく、ネコだったのでしょうか?」
「実はね。お父様は、イヌにもネコにもなるのよ。そして夜はオオカミになるの。」
「え!?」
「それにね、時々ウサギにもなるのよ。」
「お父様、すごい!」
「ええ。でもこれは、お父様には内緒よ?女の約束よ。」
「はい!女の約束です!」
新発見でした。
お父様は、イヌで、ネコで、オオカミで、ウサギだったみたいです。
私のお父様はすごいのです!
でも、お母様に甘えすぎだと思います!




