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68.寂しい祠

「えっと、なんだっけ?

池は当主の魂が眠る場所と、桜庭家の葬儀のやり方だっけ?」


「合ってるよ。」


なんか懐かしいな、この感じ。

頭が情報でぐちゃぐちゃにされるこの感じ。

さっきまではぼんやりしてて、

頭の中はスッカラカンだった。今とは逆だな。

………いっそ記憶を失ったままの方が……良くないか。


記憶がなくちゃ消えちゃうし、

思い出せない状態だった時にはスゴくイライラしてた。

わからないことは解決したいこの性格のせいだろうな。

私の脳みそは耐えられるかな…。

意識の中に脳みそなんてあるのかな?


…………………睨まれている。

考え込みすぎて話を聞いていなかったらしい。



「何か、言うことあるよね?結希。」


「ごめんなさい!!」

          土下座ーーーーっ


「考えてることはわかるから、次はないよ。」


「はい………、池の話…池の話……。」


必死に頭を切り替える。

さっきの気になる話はあっちへ行けと…池…!

ダメ!!

あっちへ追いやって、叔父の話に集中する。


「おーコワイコワイ……。」


「…ん"っ。ちょうど結希が映した風景が池だね。

………あれ、今初めてしっかり見たけど…、

こんなんだったっけ?」


「なんだここは……こんな寂れた場所じゃない筈だ…。」



私が初めて見た池の風景だった。

2人とも知らない場所みたいだって言っている。

この景色を見るのは本物の桜庭関係ないのか……。

……私が…最後の子……だからかな。


「ここは、私がおばあちゃんに連れられて祠へ行った時に見た景色。

私しか見えなかった景色なんだって。

水神様に聞いたら、穢れてた頃の景色だって言ってた。

桜庭への呪いを防げなかった頃の姿だって。」


意外にも淡々と答えることが出来た。

2人は、私の事を見て驚愕の表情を浮かべていた。


「驚くのも無理はないけど、後にして。

魂が眠る場所について聞きたいな。」


さっき私がされた後回し。

ちょっとした仕返しのつもりで言ってみた。

どうしてもと詰め寄られた時は別に話しても良い行けどね。

私は順番には拘り無いし。


ちらっと2人を見てみた。

2人は、動きが止まっていた。


「あれ、ねぇちょっと……。」



まさか、また水神様か来る…?

いやそんなわけ無いか。

役割が終わらないと来れないって言ってたし。

じゃあ何?2人がふざけてるだけ?

根比べで待ってみる……?



「…………」


「…………」


「…………」


「…………」


「…………」


「…………」


「…………」


「…………」


「…………」



〖ええい!!いい加減黙るのはよさんか!!!〗


マジで来た。

ふざけんなこいつ。

神なら何しても許されると思うなよ。

穢された?迷惑被った?私が一番被害被ってるわ!!

何?帰りたそうだから早く話を聞こうと思って、

家族のとの会話を早いとこ切り上げて儀式を進めてもらったのに、

その仕打ちがこれなの。

消えかけて…死にかけて……。カナちゃん殺して……。

……………マジでコイツらぶっ○すぞボケカス共が…。


…………とは口には〖聞こえておるぞ!!〗……知ってるよ。


「知っててやったに決まってるでしょ!?

おじいちゃん達に聞かせられないから黙ってたの!!

口悪いと怒られるんだから。

ねぇ、2人何とかしてよ……。」



〖お前、ついに信仰すら無くしたんではなかろうな?〗


「あははははははは!!

信仰を無くされるような事をしてる自覚あったんだ。

ははっ、ならまだいいや。

尊敬も信頼も信用も無いけど、神様として崇めますよ。」


〖………我らの存在はちゃんと在る。嘘は言っていまい。〗


「なんで私が嘘つかなきゃならないの?」


〖いや…………すまん。だがしかし、態度が悪いぞ。〗


「殺されかけといて???

私、結構怒ってる。鈍感な神様でもわかりますよね?

水神様が少し遅れたのも、

父達が池に入ろうとしたんでしょう。

欠片の神様達も、そのせいで焦ったのはわかる。

でも私が死にかける理由にはならない。


こんなこと言ったってしょうがないけど、

人間の耐久性をわかってないんだろうけど、

水の守りがあっても危険だなんて知らないだろうけど、

言っておかないと、どうせまた同じことする。


そもそも呪いや神様の話を聞いたのが今日だし、

存在を知って理解したのも今日。あれ、昨日か。

尊敬も信頼も信用も、"神だから"少しあった程度。

元々ゼロに近かったんだから、

マイナスになるなんて事は当たり前でしょう?

こんな事されといて……。」




ついに噴火……したのかな。

水に沈む前から抑えていた感情。

理不尽に対する感情。

"まぁいっか"でごまかしてきた感情。

最後のトリガーは何かはわからないけど、

これ以上抑えたら私の精神衛生が破綻しそうだったから……言ってやった。

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