表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
52/383

49.結ぶを希う

〖それだ。何だちゃんと思い出せるではないか!

そなたのお陰でこの娘が寄越す侮蔑の目は止まりそうだ。褒めてやろう。〗


1人勝手に盛り上がっている水神様はとりあえず放置しておく。

今の言葉、玄関にいた時チラッと聞いた言葉だ。

声が小さすぎてはっきり聞こえなかったやつ。

【みらいでむすぶをこひねがう】

        あれ???


「水神様、侮蔑の目は暫く続けるので大丈夫です。」


〖何故だ!そなたは神に対する敬意が足りなさすぎるぞ!〗


「敬意なら持ってますとも。私は特に川で助けて貰った。

水神様の助けがなければ生きていなかったかもしれない。」


〖では何故だ!〗


「だからこそ、憧れの水神様(ちゃんとしたかみさま)だと思ってたら

ちょっとポンコツの気配がして落ち込んでるんですよ。

こんな大事な事伝え先間違えるって……。」


〖そ、それは謝ったではないか……。〗


「えぇ謝っていただきました。が、それはそれこれはこれです。

なんだか嫌な予感もしてきたし……。」



(水神様が伝えた言葉。

桜庭が呪われた時、朝倉に届いた言葉。

【みらいでむすぶをこひねがう】


完全に私を指してるじゃないか…。

【未来で結ぶを(こいねが)う。】

結希って名前………。

おじいちゃん達が付けてくれた名前……。

まさかおじいちゃん達は知っていた?

知ってたから付けた?それとも偶然?

……………考えても分からない。)


「どういう意味でこの言葉を言ったんですか?」


〖……そのままの意味だ。

遠い未来、全てが終わる時を想って伝えた。

そなたの事だよ。結希と言う名を持つ人間の事だ。」


結ぶ。物語の結び、結末、起承転結。

希う。強く願い望む事、切に願う事。

未来で終わりを望む、それを実現する者。私…。


生まれる前から決まっていたってそう言うこと?

名付けが両親じゃなくて祖父と叔父って事はそう言うこと……?


「おじいちゃん達が付けた名前です。水神様が……何か言ったんですか?」


〖夢で伝えた。きちんと伝わっていて安心したよ。〗


(おじいちゃん達は………意志を持って名付けたんだ。)



「私は何かを……しなければならないんですか?」


〖それは………祠に着けばわかることだ。〗


「そうですか…。まぁ何をするにしても私が死ぬか死なないかってだけでしょうけどね。」


〖…………………〗


「流石に会話の端々でわかるでしょ。

私が話をする機会はもう無いとか言ってたし……。

考えすぎなら別にいい。私の気が立ってて気にしすぎかもしれない。

死ななかったらラッキー位に思ってた方が気は楽です。


えっと、山崎育築さんはもうお役御免でいいかもです。

戻ってもらっていいですよ。ここにいてもいいけど。」


「お役に立てて何よりです。僕は後ろの方へ戻ってますね。

あの……山崎育築って?」


「いや、山崎さんなのか朝倉育築なのかわからなくって。

今は山崎さんみたいだから山崎さんって呼ぶんで気にしないで下さい。」



山崎さんはまぁこの際いい。そそくさと戻って行ったようだし。

最後、あと一つだけ私が気になってた事を質問して終わりにしよう。

…………それにしても着かないな。祠。


「次で私からの質問は最後です。

棺に入っていた御神体はどうなってるのか知ってますか?」


〖ああ、田牧の神主が祠へ持っていった。必要な事だからな。〗


「私の役割に?」


〖…そうだ。儀式と言う程では無いんだが、使うのだ。〗


「どんな事をするのかは祠に着いてからしか教えて貰えませんよね?」


〖そうだな。まぁ、そんなに難しい事はない筈だ。〗


「そうですか。わかりました。

そういえば質問はもう終わったんで良いんですけど、

まだ祠に着かないんですか?こんなに遠くなかった筈ですけど。」




〖もう着いておる。見てごらん。〗


そう言われて辺りを見回すと、祠に着いていた。

水を湛えた池は静かに凪いでいて、桜は満開に咲き誇っていた。

初めて来た時とは違う様子に、私は戸惑いを隠せなかった……。





結ぶには点と点を結ぶと言った"繋ぐ"の意味等いくつかありますが、

本作においては"終わり"や"まとめる"と言った意味をメインにします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ