47.解けた謎、新たな謎
「27年前、水神様の言葉を聞いた叔父が言いました。
最後の子がくる、待ち望んだ時が来る…と。
最後の子は今お話頂いた私の事。
では、待ち望んだ時と言うのは何を指すのですか?」
〖それはもう暫くしたら…祠に着いたらわかる事だ。焦る必要はない。〗
"今は答えない"と言う答えを貰ったので、
27年前繋がりとして祖父の事を聞いてみよう。
「……それでは本物の桜庭である祖父の事について。
朝倉子孫を生かすための桜庭の身代わりについては、
朝倉子孫が次代を残さず死なないための措置だと思います。
20歳を迎える前に必ずある朝倉の危機を、祖父は身代わりとして引き受けた。
その際祖父は、即死ではなく1年間意識不明の後死にました。
この1年と言うのは個人差によるものなのか他の何かがあるのか教えてください。」
〖………1年間生きただと?〗
水神様は祖父の話を聞いた途端立ち止まった。
やはり祖父の死はおかしかったのだろうか……。
〖そなたの祖父は突然倒れたんだな?〗
「はい」
〖いつだ。〗
「倒れたのが7年前で死んだのは6年前です。」
〖そうか…。やはりもう持たぬか……。
最後の子も大きくなってる頃だ。それもそうか……。〗
水神様は1人で考え込んだと思ったらぶつぶつと呟いていた。
この質問も回答無し……なのかな。
〖娘よ。そなたの祖父が倒れてから1年生きていたのは偶々ではない。
呪いが強まったわけでもない。もう、"そういう時期"なのだ。
今言えるのはそれだけだ。〗
「そうですか…。ありがとうございます。
でも身代わり自体は、倒れてすぐ死ぬ筈と言う事なんですね。」
祖父は例外パターンだった事はわかったが、
質問したらまた違う謎が増えてる気がする…。
"役割"とか、"そういう時期"とか。
待ち望んだ時は……もうすぐわかるらしいが…。
後は何を聞きたいんだっけ……。あ、そうそう。
「では、朝倉や麻生の子孫達が血脈の罪を知った夢の中で水の玉を見たと言っていました。
烙印を押される時だそうです。
朝倉の呪いと咎の烙印とでは時系列が違うのに夢では見た。
朝倉は特に大きな水の塊や幾つもの目を見て、彼しか聞いてない言葉を聞いた。
これは水神様の、神の力によって本当にあった事なのか。
それとも罪の罪悪感で子孫の夢の中に映っただけなのか。」
〖うむ、それは簡単だな。
夢の中では見たが当時は見ていない、両方正しい。水の玉は咎を追う為の我の力。
神の力はそうそう人が見れるものでは無いが夢ならば可能だろう。
特に罪を認識させるための過去夢は神が見せるものだ。
時間の流れが気になるようだが、我らには関係の無い事。
朝倉が目を見たのは呪いの元凶であるが故。水の塊もな。
声もまた然りだ。チビ共の怨嗟の念は図り知れまいよ。〗
(チビ共……え、欠片の神様達の事!?)
「聞こえた声については何か意味が?」
〖どうだろうか……。主にチビ共の呪いだ。
我は穢れによって少々草臥れていたからなぁ……。
あぁでも、時が来るまで待て…みたいな事は言ったな。何て言ったか…。〗
「『私のかわいい子達よ、最後の子を守り抜け。耐え抜け。我らが目覚めるその日まで。我らが呪いを償うその日まで。
桜の畔の小さな池で清めながら待ちなさい。』
ですか?(一人称が変わっとる…。)」
〖うんそれだ。後もう1つ何か言ったような……。〗
「『桜の畔に住まう物、』…は欠片の神様達だ。
『もうすぐ最後の子が来る。待ち望んだ時が来る。』 ですか?
私達が伝え聞いているのはこれだけですが……。」
〖それは最近の話だろう。この肉体に言ったやつだ。
違う、もっと昔だ。桜の畔で待てと言った時だ。
あぁ、もしかしたら桜庭では無かったか?〗
「!!朝倉へ……ですか?」
〖おぉそうだそうだ。何せ草臥れていた。
それに当時は今より神格が低かった。幼かったのだ。
伝え先を間違ったとて不思議は無い。〗
あっけらかんと言う水神様に少しイライラしたが、
山崎さんに聞くのが先だと思いなんとか堪えた。
「…………えと、じゃあ聞いてきてもいいですか?」
〖なぜだ。呼べばいい。〗
「……呪い元凶なので水神様は近づきたくないかなぁと。」
〖構わん。穢されたのは腹立たしいがチビ共程ではない。〗
「じゃあ失礼して。山崎さーーーーん!!
こっちに来てくださーーーーーーい!!!」




