表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
33/383

32.帰る物

「最後の子?なんだそれ」


「知らないの?貴方が血を吐き喉をかきむしった時、貴方自身が喋った言葉よ。」


「俺の…子供達が……死んだとき………。」


「……そう、その時。

貴方の意識は何を感じてた?それとも意識はもう無かった?」


「なんて言ってたかはわからない…けど何かを言ったような気はする…。

何かを……………【みらいでむすぶをこひねがう】。


…あんた、名前はゆきって言うんだろ?どんな字書くんだ?」


「希望を結ぶ、って字よ。おじいちゃんとカナ…奏多叔父さんが付けてくれたって。」


(さっき何か言ってたけど小さくて聞こえなかった…。こ……何だったの?)


「ゆき…結希か……。俺の……死んだ娘もゆき…なんだ。

……雪が降る日に生まれたから雪。かわいい子だったよ………。」



(子供の名前を聞きたかったんじゃないけど…。

知らないって言ってたもんね……。)


「じゃあ「俺が…言ったんだよな?」 そう聞いてる。」


「何て言ったかわかるなら教えてくれ。

何かを言ったんだ。何かを聞いたんだ。…何かを。」


「おばあちゃんいい?教えて。」


「いいわよ、もうきっと大丈夫。」

(娘と同じ名前の子に、もう危害は加えられないわ。)


「??じゃあ言うね。

『朝倉は世に1人しか必要ない。たった1人で背負い苦しめ。安倍の咎がある内は、決して消えない呪いとなれ。安倍の咎が消えた時、朝倉の血は地獄へ堕ちる。』

『私のかわいい子達よ、最後の子を守り抜け。耐え抜け。我らが目覚めるその日まで。我らが呪いを償うその日まで。

桜の畔の小さな池で清めながら待ちなさい。』 以上。」


「ん……。夢の中で見た過去の記憶と実際の俺の記憶は少しずれてるんだ。あんたが言った言葉の前半部分はわからないが、後半は俺の記憶の中の言葉に似ているが少し違う。


『桜の畔に住まう物、目覚めて故郷へ帰り着く。』

これは実際に聞いたんだ。夢でも。」



「それってもしかして…」


「そうね、菖浦さん。悪いけどまた祠へ行ってきて頂戴。山崎さん、まだ覚えてることある?」


母に指示を出した祖母は再び育築に尋ねた。

今回は母も無言で頷き、祖母の意図を理解していた。

山崎……育築……これちょっと有りかも。


「結希ちゃん?何か変な事考えてるの?」


「!!何もないよ?ねっ、山崎さん。続けて続けて。」


「はい?…他は……多分、俺が…穢した神達の言葉……だと思う。実際は聞いてない、でも夢ではいつも聞く怨嗟の声。


『帰りたい、帰してくれ、呪いたくない、社へ帰せ、水神に手を出すな、おうちにかえりたい、桜庭に触れるな、眠らせて、よせ、止めろ。………呪ってやる。』


囁くくらい小さな、でもたくさんの声だった。こっちを見つめながら言うんだ。」



最後の子についてはわからなかったが、神様の言葉は違ってたので収穫は有ったと思う。

私の予想が合っていた。朝倉の呪いはやはり…。


「山崎さん。

貴方は呪われている。私達桜庭も呪われている。

呪ったものが何か、わかりますか?」


「水神に手を出したから呪われたのでは?」


「おばあちゃん、どう思う?」


「……結希が思ってるのとそう変わらないと思うわ。」


「逆だって事?」


「そうね…逆。全て逆なのよ。

結希は…きっと奏多や明徳さんと同じなのね…。

もっと早くに教えてあげるべきだったわ、ごめんね。」



「あの、さっきから何を言ってるんだあんた達。」


私達の意味深な会話に我慢できなくなった育築が割り込んできた。顔には出してないが父も伯母も育築と同じ気持ちなのだろう。

義伯父は……どうだろう。神職だからいろいろ知ってるのかな?


「説明してもいいよね?山崎さんも当事者でしょ。」


「そうね、いいわ。結希が説明してくれる?」


「わかった。じゃあ、私達を呪ったものについて私の予想を言います。ほぼ確実だと思うけど。」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ