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28.祖母の歴史話、朝倉語り

狂ってる。つい、そう思ってしまった。


水の玉とは何だろうか…。朝倉も少し言ってたな。咎の烙印を押される様子を見ていた幾つかの水の玉。


神様の言葉にあった、

『安倍の咎がある内は、決して消えない呪いとなれ。』

安倍の咎とは安倍晴明の子孫、即ち土御門当主の咎の烙印で間違いない。呪いは咎を目印とする。

咎の烙印を押されたのは朝倉、麻生と、後数名。土御門の粛清を受けたのは数家としか聞いていないから考えても意味はない。


水の玉は水神様の力で、烙印を押された人々を見張っている?でも朝倉と桜庭の呪いは粛清後の出来事。時系列がおかしい。

朝倉と麻生の夢の中だけでの話か、本当にあった事なのか。



(ん"ーーわっからん!!!頭も回らんぞ!!!

もう夜中も夜中。当然か……。)



「桜庭を呪うために、貴方は何をしましたか?」


「神の欠片に力を溜めるために、過去に穢した神社を廻りました。欠片はどこかの神社にあった御神体です。力の器としてちょうどよかったので。


1つだけ行けなかった所がありました。桜庭の敷地内にある筈の神社です。一番穢れていた筈なのに。

私達が悪評を広めるまでもなく町民達の悪評にまみれていた。でも桜庭の敷地に入れなかった。

ほんの少しだけ漂っていた力は集めたけど、後は諦めるしかなかった……。

あれさえ有れば違ってたかな…。


そして桜庭隆延を呼び出した。

反省をしている、謝罪したいと書簡を送って桜庭の屋敷から出るように仕向けた。

俺の言葉を信じたのか、流石に一言物申したかったのかは知らないが付いて来てくれた。


少し先に森があったから、そこに術の準備をしていた。そこまで桜庭隆延と歩いていく途中、少しだけ話をした。善人だよ。汚い手なんか使わないいい奴さ。だから余計に惨めなんだ。

こいつが悪いなんて思っちゃいない。僻みだって、お門違いの八つ当たりだってわかってたんだ……。

でも…、もう引き返す事は不可能だった……。


欠片とはいえ、穢れてるとはいえ神なんだ。無条件に力を使えるわけがなかった。殺生に関わる家だし、神社に縁がなかったため作法も何も知らない。

だから軽い気持ちで神と約束を交わしたんだ。

《桜庭に相伝の呪いを掛けられたら神の欠片を解放する》 と。


神との約束が普通の約束と全く違うものだとも知らずに。」



桜庭と呪いの歴史話~side朝倉~

タイトルを付けるならこんな感じだろうか。祖母から聞いた話とそう変わらない内容で、祖母の話の信憑性が増した気がする。桜庭側の話だけではわからなかった事も結構あった。


山崎(朝倉?)の言った朝倉相伝の術、呪殺呪印というのが所謂一族郎党皆殺しなのだろう。

桜庭隆延以上の呪いを朝倉育築が受けた理由も、神様と交わしてしまった約束が原因なのだ。

本来の朝倉相伝の術は水神の守りで弾かれ、桜庭の呪いは"後代まで続く呪い"へと弱体化したのだ。

相伝の呪いは掛けられなかった。約束を守れなかった。

要はバチが当たったのだ。


水神の守りで桜庭への呪いは反されたが、そんなに強い呪詛返しにはならなかった。

桜庭側は神様達の抵抗で反った呪いが強まったと思ってるけど、実際は逆なのだ。

朝倉の呪いは神の力を使うために交わした約束が守られなかった、約束の不履行で受けた呪いなのだ。

喉をかきむしっていたのも喉元に隠していた欠片に反応したから。


(喉に欠片……食道辺りだと思おう。

舌の奥じゃ…………ゲッ、想像・ダメ絶対!)


約束不履行の呪いが水神の呪詛返しを取り込んで力が強まり朝倉を襲った。

神の力を呪いに使ったという神の怒りも含めて。


神様の言う償いは呪いを完全に防ぎきれなかった事か、少しの力が桜庭への呪いに使われた事か。

或いはそのどちらもか…。



(私の予想はきっと合っている。答え合わせはもうすぐ……かな。  ヴッ。)


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