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186.怪我の功名


どこを探しても見当たらない。

引戸みたいに左右に動かしても、

ドアみたいに手前に引いても押し込んでみても全然動かない。

何か特別怪しい所があるわけじゃないので、

手当たり次第触っていくけど何も変化はない。

………元々無いんじゃないかな?


「これだけ探しても見つからないんなら、

やっぱり無いんだよ。」


〔んーーー…。

何かありそうなんだがな…。〕


「私もありそうだとは思うけど、

どこも開かないし動かないよ…。」


〔そうなんだよなぁ…。〕


ぼんやりと祭壇を見つめながらそう言う木の神様。

…どこ見てんの?



「もうちょっと探してみて何もなかったら、次行こう。

怪しい祭壇が見つかったってだけでも充分だしさ。」


私はほんの少しだけ、

見つからない苛立ちと面倒臭さを感じながらそう言った。

そう思ったのが良くなかったのか、

私は足元不注意で躓いてしまった。

急な事に驚いたけど、

とにかく転ばないように近くの石を掴んだのだ。


私が倒れ込む勢いで掴んだ石を押し込んでしまった。

……押し込んだ?


「何これ。」


今手を離したら瑞樹神社と同じになる。

だから掴んだ右手と逆の手で別の場所を掴み、

転倒するのを防ぐのだ。

何とか体勢を立て直して立ち上がってから、

押し込んだ場所を良く見てみた。

すると……。



丸い形の石が、完全に消えてしまっていた。

押し込んだ状態のまま戻ってこないのだ。

………壊した???え、どうしよ…。


どうしようもないけど何とかしたくて、

軽く引っ張ってみたけど当然ながらどうにもならない。

過去の物を壊したけど、私は無事だし問題ないか…。


そう思ってたら、木の神様の呻き声が聞こえて来た。

どうしたんだろう?行ってみようかな。



「大丈夫ー?」


木の神様がいた場所がわからないから、

呻き声を辿ってるんだけどどこにもいない。

声はちゃんと聞こえるんだけど姿が無いのだ。

どうしようかと思っていたら、足元から声がした。


足元には穴に落ちた木の神様が居た。

私は慌てて木の神様に声をかける。


「何でそんな所に居るの!?」


〔突然地面が開いたんだ!

私は立ってただけだったのに…。〕


それを聞いて、私は押し込んだ石を思い出した。

仕掛け扉みたいになってるって事か…。



「ごめんなさい、もしかしたら私かも。

さっき掴んだ石を押し込んじゃったの…。

引いても戻らなくて、壊したかと思ってたんだけど…。」


〔なるほど、また転んだのか…。

そういう事なら仕方がない。

落ちたついでに中を見て回ってくるから、

そなたはそこに居てくれ。〕


濁して言ったのに転んだのバレてるし…。

そこは気付いても言葉にしないでよ!!!

でも変に反応するのも逆に恥ずかしいので、

あえて流しておく。



「私も一緒に探すよ?」


〔いや、そこに居てくれ。

中にどんな仕掛けがあるかわからない。

罠もあるかもしれないし、危険だから。〕


そう言った木の神様はとても頼もしく見えた。


〔そなたは良い意味でも悪い意味でも運がある。

仕掛けを見つけたのも偶然じゃないかもしれないから、

私が調べ終わった後にこっちに来て欲しい。

調べたらまたここに戻ってくるから待っててくれ。〕







待って。調べてる間は余計な事するなって言われてる?

私が中でまた何かを動かすと思ってる?

たまたま転んだのも運だって言うの?

…でも完全に否定する事も出来ないので、

モヤモヤしながらも木の神様に従っておく。


頼もしく感じたのは幻だったみたい…。



私の返事を聞く気は無かったんだろう。

話し終えたらさっさと中を調べに行ってしまった。



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