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お題シリーズ4

予期せぬ旅立ち

作者: リィズ・ブランディシュカ



 その予期せぬ旅立ちが私の人生を大きく変えた。


 それは唐突で、前触れなんてなかった。


 ただ、周りの雰囲気が悪くなっただけ。


 それがきっかけとなった。


 小さい頃は生まれた場所でずっと生きて、そして死ぬと思っていたのに。


 私が住んでいた場所。

 そこは閉鎖的な村で、娯楽に飢えていた場所だから、生贄を決めて憂さ晴らしをしていたのだろう。


 だから理由なんてない、たまたま私にターゲットがうつったのだ。


 ある時をきっかけに、村中の人間が私に嫌がらせをはじめた。


 庭にゴミをなげこまれたり、話しかけても無視されたり、悪口を言われたりした。


 その時、ただなんの理由もなくこの場所で一生を終えようとしている事に気が付いた。


 特に愛着もないにもかかわらず。


 だから、我慢してその環境を変えようとはこれっぽっちも思わななかった。


 だから私は早々に、その村を出る事にした。


 今まで、自分の村しか見てこなかったから、他の場所なんて知らなかった。


 私は田舎の村から都会に出た。


 村では、周りに都会の暮らしの話をする人がいなかったから、最初は驚いたな。


 いんたーねっと?


 そんなものがあるんだ。


 調べれば何でもわかるって便利だな。


 こんびに?


 二十四時間いつでもやってるの?


 お店の人は疲れないのかな。


 村を離れなかったら、それらの存在を知る事はなかっただろう。


 予期せぬあの旅立ちがなかったら、私は一生あの村で過ごしていたかもしれない。


 畑を耕して、農作物を生産して、知り合いに売るだけの生活を。


 でも今は、農業の学校で生徒達に農作物の育て方を教えている。


 若い子達は発想が柔軟だ。


 あの村は年寄りばかりだったから、毎日刺激を受けている。


 今日も生徒達に授業をしながら、本当に変わったなと思う。


 あの旅立ちがなければ。この日常はなかっただろう。



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