!?
短めのちょっとだけ下らない人外視点のお話です。
どうも、感嘆符です。
私は『!』、俗に言うビックリマーク。英語圏で育つとエクストラメーション・ポイントなんて呼ばれたりもします。
和名は雨垂れ。
注意して欲しいポイントで命令したり注意を集める目的で使われたり重要性を伝えたり。後は大声で読んで欲しい文章にチョイチョイ登場します。
終止符を差し置いて文章に隅っこに登場します。
だけどごくたまーに文章の途中であっても存在感をアピールしたい時はセンターポジションにもなります。アイドルもビックリのセンターポジション。
……今気付いたけど、ここまでの流れで私って一回も登場してないよね? 寧ろライバルの疑問符こと『?』の方が文章体の中で先に登場しちゃったじゃん。
でもビックリって言えたから一応は良しとしよう。
くっそ……。
あ……、今の『くっそ』の語尾で登場しとけば良かった。私って何時もこうなの、肝心なところで自分をアピール出来ないから脇役に甘んじる結果になるんだよね。
一時期はグルメ漫画なんかの食通キャラがよく使ってくれていて私のはぶりが良かった。最近はバブルも弾けてメッキリグルメ漫画も減ったからなあ。
だが私の役割はそれだけではない。
カナダやイングランドなんかには私が地名に使用されているとか、いないとか。果てには数学の二重階乗やコンピューターのC言語からピクトグラムなんかにも使われてます。
私の人気は意外と侮れないんですよ?
あ……、また疑問符を使っちゃった。
さすがは我が永遠のライバル、疑問符だ。クエスチョンマークやインテロゲーションマークなんて呼ばれたりするアイツの和名は耳垂れ。
?は国によって扱いが違うからな、基本的には質問文の語尾に登場するけどフランス語では?の前にスペースを入れるらしい。
? ってもしかして何か臭うのかな? だから文字たちから距離を取られてたりして。イマイチ確証が無いからちょっとだけ実験してみよう。
? ? ? ? ? ? ? ? ?
何だろう、もの凄く行儀のいい行列の出来るラーメン屋に並ぶお客さんみたいになっちゃった。それに幾何学的で妙にカッコいい。
無駄にライバルの株を上げてしまった。
ギリシャ語だと確か? はセミコロンに立場を奪われたりスペイン語だと逆さずりで表記されたりと割とブレるんだよな。
そこを考えると私は何と圧倒的な存在感を示す事か。
え、スペイン語は私も逆さずりにするの? スペイン人は逆さずりが大好きだなあ、ドSな民族性が見え隠れしてやがる。やっぱり大航海時代に世界最強国だった煽りか?
だって強い海賊って必ずクエスチョンマークみたいな形の義手を装備してるから。だけどどう考えても私みたいな形の義手の方が使い勝手良くない? 真っ直ぐの方が刺殺力高いじゃない。
あ、そうか。
私は義足とかによく使われているんだ。実験の失敗に巻き込まれたマッドサイエンティストなんかがよく私の形状の義足を装着してるじゃないか。
つまり私は足、? は腕。
住み分けがしっかりとされている訳だ。
だけど唯一納得いかない事があるんだよね、それはチョンマゲ。日本の江戸時代なんかに見られた髪型です。それをよーく思い返して欲しい。
……アレって形が! っぽいのと? っぽいのがあると思う。アレはどっちの髪型の方が実際は偉いのかな?
やっぱり? 型の方が偉そうだよねー……。
これ以上ダラダラ議論していても? には勝てそうに無いからこの辺りで私はお暇いたします。
こんなノリでやってるから会話の中に一回も! が出て来ないんだと思い知りました。他人のノリを上げるのは得意だけど自分のノリは上げられません。次回があれば自分の弱点を克服してハイテンションでお送りいたします。
以上、感嘆符がお送りしました。