表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
何で俺だけ  作者: コンソン
「俺」
96/638

何で俺だけ「修業が足りーん」

 俺と忍者が5mの距離を置いて対峙する。プレイヤーたちは壁際に寄ってこの状況を緊張した面持ちで注視していた。

 それもそうだろう。魔王がこれから戦おうというのだ。将来に備えて、そう、魔王討伐に向けて少しでも情報を得ようと必死なのだ。

 自分たちがその情報を「売る」事ができれば相当に利益になる。最前線とか、攻略組とか言ったプレイヤーたちにこの情報を真っ先に持って行けばかなりの値で買い取ってくれる事だろう。


 さて、ゲブガルが始まりの合図をする役目を買って出ている。俺と忍者の間にはゲブガルの作り出した障壁があり、それが消えた瞬間が始まりとなる。

 互いに集中してその魔力障壁を見つめる。今回ゲブガルが出しているこの障壁はそれが「消えた」事が分かりやすいようにと魔力の光が出ていた。どうやらそう言った細かい微調整などオチャノコサイサイらしい。


 と言う訳で、それが消えたとたんに忍者も消えた。いや、この魔王の目には「半透明」に見えていた。

 五人の忍者が襲い掛かって来た時には俺は盛大に油断していて、かつ、第三試合の始まるのを今か今かと集中していたので襲い掛かられた事に反応を出来なかったのだ。

 しかし今はこうして覚悟もできている状態なので忍者が「隠形」だろうか?そのスキルを即時発動したのも分かったし、半透明になっているそれを認識もできていた。


 そしてその忍者が俺の背後に回りこもうとしているのも丸わかりだった。そしてどうやら攻撃モーションに入った瞬間にそのスキルは解けるようで。


「殺!」


 と掛け声を上げてその手に持つ短刀を俺の首へ突き刺そうとしてきた。でも俺はその動きが見えていたのでそれを軽くヒョイと躱す。


「何!?」


 完全に俺が忍者を見失っていたと思っていたんだろう。確かに俺は全く動いていない。首すら回そうともしていなかった。

 けれども俺は攻撃された瞬間にその場から一歩前に出るだけで忍者の攻撃を躱したのだから、それは驚かれるだろう。

 それもタイミングなんて完璧だ。


「殺す時は声を出すのは愚かだろう?位置がばれる。しかもタイミングもな。」


 俺はこれまでの間に格闘術で言えばめちゃめちゃ格上のミャウちゃんに鍛え上げられていたのだ。これくらいの攻撃は散々ミャウちゃんにやられている。

 ミャウちゃん曰く「暗殺をして来る者は必ず背後から」と言う事で、俺は何度もこうして反復練習を繰り返してもいた。

 で、コレが今回もの凄くピッタリとハマった訳だ。まあ、この魔王の「眼」で忍者が姿を消すスキルを看破で来ていた事も重要だったが。

 これもミャウちゃんに協力して貰っていた。ミャウちゃんも姿を消せるスキルを持っていたので、姿が消えるというのにも慣れていた。

 これらは言ってみれば隠し特訓と言えるだろう。そもそも魔王に「中の人」が居るとプレイヤーは知らない。

 地味に特訓を続けて特殊なジョブ「魔王」をもっと強くしようとしているなんて思いもよらないはずだ。思考の「外」であるはずだコレはプレイヤーにとって。

 魔王ムーブをかましている「中の人」が居るなど、今この場のプレイヤー全員は一ミクロンも思ってもみないはずだ。


 空振りした攻撃にはどうやらスキルが使われていたようで、恐らくだがその使用に際しての硬直が解けていないんだろう。

 俺が振り向いた時には忍者がぴたりと止まっていた。なのでこれを俺は逃すはずもなく忍者の顔に蹴りを放った。

 すると忍者がそれをモロにくらってしまう。だが、ここで驚きの光景が目に入って来た。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ