何で俺だけ「喜劇の始まり」
さて、映画も見終わって夕食も食べ終わるころに又もや俺はメニュー画面を開く。只何となく。
「お?ポイントが「598」になってら。昼に入ったポイントよりも低いな?それにしても一人やられるだけでどれくらいのポイントが入るんだ?そこら辺聞いて無いな?でもまあいっか。これもゲブガルにつぎ込んじゃえ。ポチッとな?・・・あれ?強化が最大です?ああそう、もう最大値まで強化しちゃったか。じゃあ余ったポイントはこいつの拠点強化につなげてっと。全部投入!」
そこからは俺はまたしてもログインせずに夜のお笑い番組、バラエティー番組を見続けた。そして就寝前にまたメニュー画面を開いたのだが、今度はポイントが「2231」になっていたのを見て。
「どう言う基準何だコレ?そもそもポイント入ってき過ぎ問題。運営、これちゃんとバランス考えての製作なのか?まあ確かに今はゲーム制作のこう言ったバランスの計算はコンピュータに全部自動でやらせるって聞いた事があるけど。まあ、どうでもいっか。ポイントの振り込みは明日にすっべ。寝よ寝よ。」
俺はこの事には気にせず就寝を決め込んだ。何せ魔王なんてのにログインしてあの何処にも移動できない状況を楽しいとは思えなかったからだ。
(時々美人なミャウちゃんを見に行って目の保養をするくらいだろ、使い道は)
俺はそんな事を思って21時に就寝した。今日は朝6時起きだったのでもの凄く眠い。この連休三日間のために仕事に支障をきたさないようにと体調コントロールをしておいたのだ。
なので健康を阻害するような夜更かしで今更体調管理を外しに掛かる気が無かった俺はそのまま友が端末に連絡をしてきているのを無視してそのまま寝てしまった。
そして翌朝だ。俺は朝食をゆっくりと食べてからお茶を飲んで一息ついてからメニュー画面を出した。
今の時間は朝の6時。今日もしっかりと健康第一だ。そして友からのメールは見ていない。と言うか、奴のやった事に今でも怒りが治まらないのでメールはあと最低でも四日は目を通さないだろう。
そのために俺はゲーム内で起きた「異常事態」を知るのが遅れた。それを今ここで俺は気付けない。
「さてと、ポイントは・・・げっ!?「4378」!?おいおい、どう言う事なんだよ、いい加減ちょっと気になってきた。はぁ~。ポイントが入る基準を教えて貰いに行くか。」
俺はどうにもこの入り過ぎじゃ無いか?と言えるポイントの基準がどの様な設定になっているのかを教えて貰いにログインする事にした。
でも、そこではまだ俺はこの自分が知らずに創り出していた「異常事態」を把握できない。何故ならミャウちゃんもこの件の詳細な情報をまだ仕入れていなかったからだ。
俺はその事を把握できていなかったがために、まだまだこの時、どの様な事がゲーム内で起こっていたのかを全く知ろうとする事をしなかった。
「魔王様、御帰還。おかえりなさいませ。」
ミャウちゃんに深く一礼されたのだが、それを俺は無視して直ぐに説明を求めた。
「ねえ、このポイントってさ、どう言う風な基準で設けられてるの?設定知りたいんだけど?」
「はい、これはプレイヤーが死ぬ事でその者の持つ今までの経験を吸い上げております。そのホンの一部しか奪い取る事ができていない現状ではありますが、魔王様が采配したポイントで順調に奴ら憎きプレイヤー共はゲブガルに殺されに来ております。流石魔王様の慧眼で御座います。」
どうやら経験値の一部が頂けると言う事らしい。ほんの一部だと言っているが、それも塵も積もれば山となる、と言う事だろう。
「ふーん、どうにもその強化したゲブガルにプレイヤーは御執心なんだな。納得いったわ。」
大雑把なミャウちゃんの説明だけで俺は納得してしまう。この時点ではまだミャウちゃんもゲブガルからの報告を受け取っていて間もなかったらしく、その詳しい内訳などは報告をされなかった。
そして俺はこの時にまたしてもゲブガルの拠点となる場所を強化した。その後でその強化も限界まで行った事でその周囲も強化できるようにメニューが増えたのでソレへと全て残りのポイントをつぎ込んだのだ。
「あ、もうゲブガルの周囲のパワーアップメニューが全部灰色になった。と言う事はもうここが限界って言う事か。なら仕方ないな。残りは「218」か。なら溜めておこうかな。今度ログインした時にゲブガルが今どうなってるのかちょっと見てみたいなって思うんだけど。そこら辺の事って見れたりする?」
ミャウちゃんに俺はそう訊ねた。