何で俺だけ「ほめよう」
「面目次第もございません。申し訳ありませんでした・・・」
俺の前で土下座をしてそう口に出したのはゲブガルだ。どうやら拠点をプレイヤーに取られた事を気に病んでいる様子だ。
「良くやってくれたよ。うん、こうして俺の「逃げて来てね」って言うのも守ってくれたし、別に叱る要素ゼロだから。土下座は止めようよ。やられちゃったのは仕方が無いしね。もし、もっとプレイヤーがレベルを上げてたりすればやられちゃってたかもしれないんだ。逆に今こうして負けて撤退できた事は運が良かったと思った方が良いよね。それに大分粘ったみたいじゃん?よくやったよ。頑張った。」
俺がこう言ってみてもどうやらゲブガルには響かなかったようだ。
「いえ、私が奴らの行動をもっと深く読んでいればこの様な無様な負けはあり得ませんでした。コレは私の油断からなる負けです。魔王様の御顔に泥を塗ったも同然。どうか、罰を。」
「えー?罰を言い渡さないと満足できないっぽい?じゃあねー、精進しましょう。もう二度とプレイヤーにゲブガルの障壁を破られない様に。このお城にはまだまだこの先プレイヤーは攻めて来るまでには時間があるだろうから。いざその時になって奴らを一歩もこの城の中に入らせない、それくらいにまで障壁を強化して使い熟せるように頑張って。コレがゲブガルへの罰って事で、宜しく。」
「魔王様の寛大なるお心遣いに感謝致します。このゲブガル、次に魔王様の前へと現れる際には、何ものをも絶対に通さぬ障壁を作り上げ、魔王様への脅威を全て排除してご覧に入れまする!」
土下座のままでそう気合の入りまくった宣言をしてゲブガルは立ちあがり、深い礼を取ってから部屋を出て行った。
「何だろうなあ?何だか今ので忠誠心?上がってなかったか?四天王に隠しパラメーターとかあったら今のでグーンと数値が跳ね上がってるよね、アレ・・・」
もしかしたらいきなり四天王の能力強化を一気にした事で、俺が何をしても、言っても、彼らの好感度ゲージが上がるようになってしまっているのかもしれない。怖ろしい事だ、これは。
「この先どう転ぶか分かったモノじゃ無いなコレ?盲目的になられても俺が困惑するし、かと言って俺への忠誠心の暴走とか起こって勝手やられても困るぞ?コントロール、できるのかコレ?」
ミャウちゃんなどはそもそも最初からMAXだったような感じがあるし、それに最大強化をしてあって、もしかしたら「天元突破」などしていたりすれば?と考えてしまう。
逆にマイちゃんはそこまで強化で上がっていない印象だった。寧ろマイナスか?と言った感じを僅かに受けている。
「この先の展開が全く読めない。どうなるんだろこのゲーム?そもそも、「魔王」ってイレギュラーじゃないのか?って最近思ってるんだよなあ・・・」
俺の行動を振り返ると、開始初期の段階で随分とこのゲームのバランスを崩壊させている行動を起こしている。
あの時に一気にゲブガルへとポイントを全振りしたのは、今考えても俺のその時のテンションがオカシナ状態だったと言わざるを得ない。
「反省はしていないんだけどなあ。うん、まあいいや。さてと。今の所で溜まってるポイントは魔王に全部注ぎ込んで今日はログアウトしよう。」




