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何で俺だけ  作者: コンソン
嵐が始まる
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攻略!悪魔王編!「絞り尽くす」

 僕は後方支援組に紛れて悪魔王から距離をなるべく取った。また僕にターゲットが移されたら堪らない。

 まあ今悪魔王はプレイヤーに圧されに押されて苦戦しているから大丈夫だとは思うが。


 そう、苦戦しているのだ。圧倒的な身体能力を発揮していた悪魔王がその動きを封じられていたのだ。

 その上で「光の力」を次々に叩き付けられて大きくダメージを食らっているのである。

 百名近いプレイヤーが悪魔王に対峙している。どうにも即席の陣形まで組んで。


 悪魔王の動きを制限するのに「光の壁」で四方を塞いで行動範囲を狭めている。あまりにも距離を取るとまるでコマ落としの様に動く悪魔王を捉えきれないからだろう。

 壁をどんどんと狭めて行って次第に圧し潰す様にして悪魔王を固めていく。


 そこに攻撃系の「光の力」を持つプレイヤーが悪魔王を襲うのだ。代表では「剣」だろう。

 それぞれのプレイヤーが使用している武器にどうやら「光の力」が発動していてソレで悪魔王を攻撃している。槍、斧、弓矢、などなど。

 中には鞭などもあり、うねうねと自在に動く「光の筋」が悪魔王に絡みついてその動きを牽制するなどもしていた。まあその拘束時間も一秒程度くらいしか持たなかったようだが、それでも効果は絶大みたいだった。


 補助系で「光の力」を使うプレイヤーはどうや身体能力をかなり増大させるバフを仲間に掛ける事ができるらしく、その支援を受けたプレイヤーの攻撃は相当にダメージを与えているのが悪魔王の怒り狂った表情から察せられた。


 だけども悪魔王の方も負けてはいない。一人、また一人と確実にプレイヤーを屠っていた。

 ダメージを受ける事を覚悟の上で確実に反撃をしてプレイヤーを地味に仕留めていく。まさしく削り合いだった。


 暫くの時間この激闘は続いたが、とうとう決着が付いた。プレイヤーが悪魔王のHPを削りに削って追い詰めた。


【・・・侮るのは・・・もうしない。消し飛べ】


 だけどソレは決して良い事だけでは無かった。悪魔王の纏っていた黒い靄がいつの間にか無くなっていたのだ。

 僕がソレに気付いて「ヤバいな」と溢した時にはもう遅かった。黒い光を放つドームが悪魔王を中心にして一瞬にして広がったのだ。

 それを後方に下がって避けようとしてもそのドームが広がる方の速度が速く、これに呑み込まれたプレイヤーは何の抵抗も無く消し飛ばされた。

 しかもどうにも復活は無しみたいでリスポーンしたりする気配が無い。

 そう、悪魔王とずっと戦っていた「光の力」を使えるプレイヤーはその七割近くが消滅。それが復活しない結末となった。


 アタッカーをしていたプレイヤーは消えた。後方支援系の「光の力」を使えるプレイヤーだけが残る。

 これは悪魔王にマトモにダメージを与えられるプレイヤーが居なくなってしまったと言う事だ。


 絶望である。ここに来てまだ「光の力」を温存して隠れていたプレイヤーは居ないのか?と言った空気が漂ったけれども。


【・・・カスども、安楽には殺さんぞ・・・】


(あ、駄目だコレ・・・負け確定じゃない?)


 多分同じ事を思ったのは僕だけじゃないはず。だけども此処で何の変哲も無い一矢が希望の光を照らした。

 その飛んできた矢は悪魔王の背後に迫り「プスリ」と刺さったのだ。そう、消滅させられていないのである。


「あ、黒い靄が、無い?じゃあもしかして、攻撃通る?武器、壊されない?」


 何処の誰が呟いたのかは分からない。けれどもそれは正解である様で。


(あの黒いドームを使うと黒い靄が消える?でも、これって時間制限で再び復活する可能性が・・・)


「突撃だぁァぁァぁァぁァ!」


 まだまだプレイヤーの数は残っている。なので僕と同じ事を考えて同じ結論を出したプレイヤーも中には大勢いただろう。

 その中から誰かが叫んだのだ。このチャンスを逃したらもう本当にこの悪魔王を倒せなくなると。


「うわぁ・・・悪魔王に群がるプレイヤーがまるでゴミの様だ・・・」

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