表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
何で俺だけ  作者: コンソン
嵐が始まる
631/638

攻略!悪魔王編!「今が覚悟の決め時」

 悪魔王の周りには落雷、火炎旋風、氷の嵐、地面から槍衾、である。

 その悪魔王自身はその白い体に黒い靄を纏っていてどうにも滅茶苦茶だ。


 プレイヤーが悪魔王に近付けば落雷に打たれ、火炎に灰にされ、氷に切り刻まれ、槍に体中を穴だらけにされる。

 悪魔王を中心としてそんなフィールドが20mか、或いは30m位あるのだ。


「近付けないよ、これじゃあ。どうすんの?これ「球」はどれ位近づけば発動してくれるの?」


 恐らくはこの攻撃も「球」が封じてくれるのだと思っているのだが。それこそどれ位悪魔王に接近できれば、また発動してくれるのかが分からない。


 プレイヤーが各種の属性耐性を付けて突撃するのだが、この悪魔王の攻撃範囲はランダムに切り替わる。

 落雷発生フィールドが突然変化して氷の嵐に変わったり。その氷の嵐が突然止んだと思えば大地から槍が突如に突きこまれてくる。

 そこに火炎の渦もいきなり現れては消えて、と言った感じで一つの耐性だけを上げてタイミングを計って突入してもこれ程に激しい変化をされると対処が不可能に。

 一向に悪魔王に近付く事ができずにプレイヤーは打つ手無しの状態に。


 だがここでソレを打開する者が現れた。そう「光の力」を持つプレイヤーたちだ。

 その中で「光の壁」を発動できるプレイヤーがそれをドーム状に発動して自身と周囲を守るエリアを作り上げた。

 しかしどうやらコレを使うとその場からは動けなくなってしまうらしく、悪魔王の作り出す地獄の一番端で力を発動していたのだ。

 この「光の壁」が食い込んでいる一角だけはその効果で雷も氷も炎も大地からの槍も発生していなかった。

 しかしそれでも悪魔王迄の残り距離は10mか、15mかと言った感じである。

 それでも無いよりかはマシ。プレイヤーはそこからを攻めの機転としてスキルや魔法を悪魔王に向けて放っているのだが。


 それらも悪魔王に届く前に撃ち落されたり、掻き消されたり、逸らされたりと、マトモに届く攻撃が少ない。

 雷に、炎に、氷に、槍にと邪魔をされて悪魔王に届く頃にはその攻撃力も減衰させられ、或いは消滅させられている。


(覚悟の決め時か・・・それでもしっかりと前準備は全てしておかないと)


 先週のイベントの時にこの「光の壁」は悪魔の大軍を抑えて広がってその進行を止めていたのだ。

 だけども今はその範囲を縮小、圧縮しているんだろう。それだけ悪魔王の作り出しているこの凶悪なフィールドは強力な証明だ。

 そうで無かったら今頃この「光の壁」は悪魔王にまで届いてプレイヤーがまた攻撃し放題であったはず。

 きっとこうでもしないと壁を打ち破られてしまう程の威力であるんだろうこの各種の攻撃は。


(どの攻撃が出てきているタイミングで踏み込むか、見極めなきゃ。失敗は・・・もちろん許されないんだよねぇ・・・)


 僕はずっと悪魔王に諦めずに突撃を繰り返すプレイヤーを観察し続けた。そして。


「良し決めた!防具オッケー!武器もオッケー!アクセサリーオッケー!魔法での耐性アップオッケー!丸薬準備オッケー!「球」オッケー!それじゃあ・・・」


 僕は少しづつ、そして確実に勢いを上げながら走り出す。


「ケンジ、い・・・っきまーす!」


 光のドームの中を真っすぐに突っ切り、その効果範囲から出る直前に僕は丸薬を飲み込んだ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ