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何で俺だけ  作者: コンソン
嵐が始まる
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攻略!悪魔王編!「何を考えているのやら」

 魔王の生死が確認できる状況でも状態でも無い。今まさに悪魔王にプレイヤーが群がっているのだ。そちらに目が行ってそれ所じゃない。

 今悪魔王はプレイヤーの猛攻を躱し、凌ぎ、防ぎ、弾き、蹴り上げ、吹き飛ばし、絡め捕り、受け流しと忙しくしている。

 プレイヤーの方はと言うと悪魔王のカウンターを食らったら一撃死だ。瞬発力がある者は躱す事がギリギリで出来ている感じ。

 鈍い者は避け切れずにそのままマトモに攻撃を食らって戦線離脱、光と変わる。

 盾持ちで防御系のスキルを持つプレイヤーは何とか受け流しを出来ればダメージを抑える事ができている。

 しかしそのまま真正面から盾で受け止めてしまっているプレイヤーは、幾ら頑強な防御系スキルを発動していたとしても瀕死にまで追い込まれるダメージを食らって吹き飛ばされている。


(ここは僕も踏み込むか?丸薬を使って・・・でも、他のプレイヤーが邪魔だ、そうなれば。それに・・・)


 プレイヤーの怒涛の攻撃は何も近接戦ジョブの者たちだけでは無く、遠距離系の攻撃ができる者たちのモノも混じっている。

 それらの遠距離攻撃はサポートと言った感じでどうやら仲間プレイヤーが危なくなった場面に刺し込んでソレを防ぐと言ったタイミングで入り込んでいるのだ。

 恐らくは音声チャットなどでグループを作ってそこで連携を取っているのだと思われる。


 ソレを悪魔王が鬱陶しがっていたのだが、どうやら良い加減キレたらしい。と言うか、恐らくは行動変化を起こす位には悪魔王のHPを減らせたのだろう。


【調子に乗るな糞虫どもがぁァぁァぁ!】


 その叫びと共に悪魔王に群がっていたプレイヤーは洩れなくすべて吹き飛ばされた。

 僕は咄嗟にその衝撃波の範囲外から遠ざかり逃げる。それこそ魔王が攻撃を食らった所まで。

 しかしそこには魔王が居ない。悪魔王の一撃で消滅させられたのか、どうなのか。


(あれ位で簡単に魔王が討伐できるんだったら僕がもっと以前に魔王を倒せていたよ)


 悪魔王から放たれたあの攻撃は簡単に避けられるはずだったのだ、魔王は。だけどもソレをあえて受けていた。

 だってそもそも魔王は200mの距離を一瞬で走破できる瞬発力と速度を出せるのである。ならばあの程度避ける事など造作ないはずだ。

 だけどもソレをあえて受けたのだから、魔王にはコレに何かしら考えがあるのだと僕は思ったのだが。


(何処に居るのよ、魔王?・・・あれ?まさか「変装セット」があの攻撃で破壊されて元の姿に戻って強制排除されたとか?もしそうだったら後で滅茶苦茶「間抜け」って言って揶揄おう)


 このイベント専用フィールド、やはり魔王はそのままの姿では入る事が叶わなかったのだ。

 なので今回もしっかりと「変装セット」でプレイヤーの姿に変わっての参加だった。

 そもそもこの「変装セット」がおかしいと僕は突っ込みたい。いつもそう心で思っていた。

 あの「魔王」の姿形をこんな子供のオモチャみたいな「変装セット」で全くの別物に変えてしまうのだから、誰だって一言、いや、二言以上に物申したいとなるはずで。


(いや、散々世話になってましたけどね、うん。それで助かってる場面もいっぱいあるけどね?それでもね?)


 そんな事を考えている場合では無かった。悪魔王の周囲が急激に変化していく。


【虫けら如きにこの力を見せねばならぬとは、屈辱だ・・・誰も、逃がさんぞ。一匹残らず全て灰にしてくれる!地獄に堕ちろぉ!】


 激おこ悪魔王さん。めっちゃ顔が怖い。そして四方に特殊力場を発生させた模様。その広さを見て僕はまたも思う。運営、プレイヤーに勝たせる気が全く無い。


「コレは多分またこの「球」の出番なんだろうなぁ。」


 こうして僕はどうやらまた決死の覚悟で悪魔王に接近しなくちゃならなくなったみたいだった。

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