攻略!悪魔王編!「何時言うの?今でしょ!」
プレイヤーたちは第一段階をガンガン行こうぜで押し切った。
僕と魔王が攻撃を入れて「膝カックン」で体勢を大幅に崩した悪魔王が転倒した所にプレイヤーたちは有無を言わさずにこれでもかと大技を至る所にぶち込んでの勝利であった。
ソレは悪魔王のHPを一気に削り落としたのだ。どうやらダウン中のダメージ倍率が上がるらしく、しかも「光の力」を惜しみなく使用しての畳みかけだったのでソレはもうゴリゴリとHPバーを削り切ったのだ。
コレに魔王が不安そうに言う。
「でもコレで良かったのかね本当に。・・・あー、やっぱ第二段階目がきたかー。」
僕と魔王はまた遠く離れた位置に戻って様子見をしていた。騒ぐプレイヤーたちを生温かい目で見守っていたのだ。
そのまま観察していれば悪魔王がどんどんと変化して大きな丸い球体になってしまったのである。
ここで僕はプレイヤーたちの心境を思う。
「当然ここでフラグを口にしたのだから、こうなる覚悟はあったんだろうな。お約束ってやつだね。」
プレイヤーたちは飛ばし過ぎなのだ。消耗を第一段階からし過ぎなのである。
殆どのプレイヤーが第二段階がきっとあると思っていたに違いない。だけども第一段階目から殺意ガンガンで殺されそうだったので仕方が無く、と言った感じの流れだったのだからしょうがないのだが。
プレイヤーたちは余力が残って無さそうなのに、ソレを解っていてネタとして口々に「やったか!?」などと騒いでいた。
プレイヤーたちは笑いながらそのセリフを口々にしていた。今言わないで何時言うのか?みたいな感じであった。
「でもプレイヤーの補給部隊は間に合ってるみたいだし、次がどんな特性を持っているかが重要じゃない?ケンジはどんなのを予想する?」
「うーん、まだ形態変化が完全じゃない所で予想は無理かなぁ。・・・あ、動き出した。これって獣?」
その黒の球体にもやはり攻撃を仕掛ける者たちも中には残っていたのだが、それは通じていたのか、いないのかは分からなかった。
そうしている間にも球体が形を変えて行けば今度は獣の形に。しかもソレは第一段階よりは二回りは小さくなっていたのだが、形は「狼」になっている様だった。ここで僕も魔王もピンと来た。
「もしかしてここでポチが重要だった?この形態が第二段階だとするとプレイヤー、不味いでしょ。ケンジ、初っ端で介入した方が被害が少なくできるかもしれない。行こう。」
「あー、確かにポチの速度にはプレイヤー、反応できないよねぇ。僕のステータスがあってギリ、て感じだもん。僕と同じヤツいないだろうしなー。」
この「獣形態」に攻撃を命中させるには足止めする者が必要になるだろうこうなれば。
ソレが設置型の罠であろうが、攻撃を圧し止めて耐える壁だろうが、拘束系のスキルや魔法であろうが、どれにしろ恐らくは今のプレイヤーには抑える事が非常に困難であると予想が付く。
何せ今の僕のステータス数値でポチの動きにやっと追いすがる事ができるレベルだ。
そのポチとこの「獣形態」が同じ、もしくはそれに近いとなれば、プレイヤーがコレだけの数居ても対処が不可能と言っても過言じゃ無い。
「当たらなければどうと言う事は無い、ってヤツだなぁ。コレは第一段階よりもマズい。非常にマズいよケンジ。」
「うん、じゃあどっちが足止めする?難しいよコレは。」
「・・・俺が足止めした方が確実に良いんだけど、ケンジ、一撃であれを沈められる攻撃、持ってる?」
「自信無いなぁ。一応師匠から強力な攻撃を教わってるんだけど。丸薬を使っての制御は無理。素の状態でやっても成功率は今の所で八割ってのが限界かなぁ。その後は魔王に託す、って流れになるけど。」
まだ動き出さない第二形態の悪魔王へ向かって僕らは走り出しながら作戦を話し合った。