攻略!悪魔王編!「調子に乗り過ぎてアルアルな場面」
「まあ、こうなるのは目に見えていたけどね。」
余りにも全員が一気に派手な攻撃を仕掛けたものだから、プレイヤーたちは悪魔王の攻撃の事前行動を見逃してしまっていた。
発動したのはあの黒い衝撃波だったのだが、今回のソレは360度全周に放たれて包囲してきている万のプレイヤー全てを吹き飛ばした。
そう、全てである。しかもどうやらその直接の攻撃力が相当高くなっていたらしく少なくない数が消し飛ばされていた。
それだけでは無くプレイヤー同士がその飛ばされた勢い同士でぶつかり合って光に変わってしまっている事案も発生していた。
どうやらこの衝撃波で吹き飛ばされてぶつかり合った場合はプレイヤーにダメージが入るらしい。しかもかなり食らう量は大きめで、後衛職の体力が低めの者は即死か或いは瀕死になるくらいにキツイみたいだった。
「あーあー。コレは相当に減ったね。プレイヤー、調子乗り過ぎ。」
魔王がそんな呑気な事を言っている。それには僕も同意だったのだが。
「しょうがなくない?だって僕たちも「普通」のプレイヤーだったらアレに絶対巻き込まれてるでしょ。テンション上がり過ぎてあの中に混じってたよ、きっと。」
大技ばかりプレイヤーが放つものだから、そのエフェクトがドッカンドッカンとぶちまけられて全然悪魔王の動きが見れなかったのである。音などにも注意ができない位に爆音を発していたのでもうコレは成る様になった結果だ。
そのせいでこちらも動くタイミングを失って助けに入れなかった。悲しい事である。
「ここから気楽に見てるだけだから何とでも言えるんだなぁ俺たちは。確かにケンジの言う通りだよ。きっと俺もあの中に「普通」のプレイヤーとして参加してたら、きっと今頃消えているわ。」
今回の最終決戦ではプレイヤーの復活に関するサービスは無い。
前回の時は三度まではデスペナ無しと言うモノがあったが、それは今回は消えていた。
しかし経験値がごっそりと落ちてレベルが下がっても再度戦闘に参加は可能だった。一発退場で脱落、と言う処置が無いだけ温情かもしれない。
けれども余りにもレベルが下がり、ステータスが弱体化して行けばそもそも悪魔王に挑んだ所で即座にまた死亡させられるだけだ。ゾンビアタックが無意味と化す。
ゾンビアタックとは、復活後に即座に挑む、倒されても倒されても復活して敵を倒せるまで何度でも蘇って挑み続ける事を言うのであるが。
あからさまにレベルの低くなった、ステータスが著しく低い者が悪魔王に挑んでもあの衝撃波に掠っただけで死ねるのである。
そんな事になれば悪魔王に近付く事さえできなくなるのだ。それを解っていて遠距離攻撃でHPを削ろうと放ってもその攻撃力が低ければダメージにすらならなくなる。そんな事はやる意味が無くなる。
「ここで消されたプレイヤーの中で何人が前線に復帰できるかね?ソレが無理な奴は物資の運搬係にでもなり下がるしか無いよなあ。」
「運搬もソレはソレ重要な役割になるだろうし、成り下がるって言い方は魔王、流石に止めてあげようよ。でも実際にそんな事になった前衛職のプレイヤーはソレはそれは悔しいと感じるだろうね。」
「いやー、だってあれだけガンガンやったのにまだ悪魔王のHPバーが三分の二も残ってるから。さっきと同じにならない様に慎重に戦ってたら時間もの凄い掛かるんじゃない?そうなったらさっきので復帰無理ぽ勢が不満抱えてソレを暴発させそう。」
「それフラグじゃない魔王?滅多な事言っちゃ駄目な場面。と言うか、HPバー魔王には見えてるのかー。僕の目には何も見えて無いからもしかして鑑定系統のスキルレベルが高い奴じゃ無いと見えない?っていうか、まだ三分の二残ってるって、後最低でも二回はあの衝撃波がまた来るって事だよね?」
取り敢えず次もくるであろうあの衝撃波は防いでおかないと後がヤバいと判断する。その事を僕と魔王は話し合ってより一層悪魔王の動きを注視する事にした。