攻略!悪魔王編!「反省?」
最終的にほぼ全てと言って良い数を俺が始末して終わった。あの後に二度おかわりが再びやって来て流石に「無いな」と思っての事である。
「大分時間経ってるけど、今日はコレで終わりなんだな。」
「でもリザルトもランキングも発表されないね。どう思う魔王?」
「説明がされるんじゃない?そこら辺は。・・・あ、ほら来た。」
そこにはまた一週間後の同じ時間にこの戦争の「最終戦」があるとお知らせが。
プレイヤー各自の目の前に半透明なウィンドウに運営からの説明が来ている。
その後に『イベントステージからの離脱に残り十五秒』との表記が出る。
「じゃあまた来週だね。僕今回のでレベルが5も上がったんだけど。」
「ケンジは地味に頑張ってるもんなー。ステータス上では誰にも追いつかれない程にトッププレイヤーじゃない?」
「魔王陣営に所属できていなかったら絶対に今の状態には成れていなかっただろうけどね。それでもまだ魔王には一矢報えそうにも無いって感じだね。それじゃあまた。」
こうして俺とケンジはログアウトする。流石に長時間のイベントであったので疲れがドッと出ているのだ。
リアルに戻ったら凝り固まった自分の身体をほぐすのに背伸びを思いきりする。
「うーん!寝る前にちょっとだけ掲示板を覗いて確認してみようかな。俺とケンジの事はどんな風にプレイヤーには見られてたのかね?」
他にも今回のイベントのプレイヤーたちの感想などを見ていく。すると。
「・・・暴れ過ぎたかな?何だか「ヌルイ」って印象ばっかり書いてる奴のが多いな?ああでも、ちゃんと俺たちの活躍の件に言及して絡めて言ってる感じあるか。もうちょっと計算してキッチリ歯ごたえを、何て事ができる様な余裕無かったからな、敵の数が。」
今回のプレイヤーの新しい力「陣形効果」によってかなり大幅にステータスを上昇させての戦闘だったはずなのだが。それでも無理、無茶な悪魔軍の数だった。
そう判断して俺もケンジも暴れたのだが。バランスを考えるとは難しい事である。
「おーおー、やっぱり砦からの援軍を出さなかったのがプチ炎上してら。荒れないと良いんだけどねー。」
やはりと言って良いだろう。第三波の件である。援軍も出さず、物資も出さないと言った事に対して怒りをっ表明する者たちも現れているみたいだった。
「あんな数に押し寄せられていたらちょっとくらい援軍が来た所で押し潰されて、完全に呑み込まれてたけどね。」
それでも物資が届いていたらもうちょっとマシな戦闘を行えたはずである。
結局はプレイヤーの中に「光の力」を使う者たちが何回も何回もちょくちょくと現れていたのだあの後も。
ソレは追い詰められた事で使った、などと言ったモノでは無い。
いい加減に一気に魔王軍をぶっ潰したいと言う我慢の利かない者たちが放った攻撃なのだ。
「俺の事をチート呼ばわりする奴も居るねぇ。・・・ん?あぁ、ケンジの事もチート呼ばわりしてるな、コレは。」
俺があの「ヤブァイ」刀で結構な時間大暴れしていた事もどうやらハッキリと見られていたらしい。
そしてケンジの動きもどうやら観察されていた様だ。
「まあ直ぐにチート呼ばわりする奴らは放っておいて・・・あ、通報してる奴も居れば問い合わせしてる奴も居るじゃん。って、速攻で返信されてる、ウケる。・・・まあ運営は「仕様です」としか返さないだろうけどね。」
運営は別にプレイヤーのこの問い合わせに意地悪でそう返している訳じゃ無いんだろう。
本来だったらきっと修正するべき点であるはずだ、コレだけのプレイヤーに注目され、そしてこの様にして通報だの、問い合わせだのされていれば。
けれども「仕様」としか返信していないのであれば運営内部で何かしらその対処ができない事情があるとしか思えない。
他の理由を考えるならば、このゲームの中でプレイヤーがコレと同じ事を出来る様な仕様に本当になっているのだ。これしかない。
以前にケンジにはステータス爆上がりの事は教えて貰っていた。なので俺だけはこの「丸薬」の件を知っている。
コレに関してはその内にプレイヤーの中からそれに近い能力アップアイテムが製作されて世に出回るだろうきっと。
「さて、来週の最終戦はどうなるのかねぇ?」
やっと悪魔王との対決になるのか?そうで無いのか?俺は1週間後を楽しみにして寝床に入った。