表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
何で俺だけ  作者: コンソン
嵐が始まる
612/638

攻略!悪魔王編!「つられてはやまる」

 しかしプレイヤーも此処で押し込まれる気は無かったらしい。僕が動こうとしたその時には空に光の柱が昇っていたのだ。

 そう「光の力」である。誰かがその切り札を切ったのだ。


「負けるよりはマシ、そんな気持ちだろうな。」


 ずっとこれまでガンガン悪魔軍を削っていたのに、今この時点で逆転を許せる訳が無い。

 手遅れになって切り札さえ出せなくなる様な状況になる前に、さっさと打開を見出す為に力を出す事を惜しまない。

 この「光の力」を使ったプレイヤーはかなりの胆力の持ち主だ。中々こう言った決断を早々にできる人はいない。

 きっとこの一撃で出来た切っ掛けからまたプレイヤーたちが大勢を立て直すと信じているんだろう。


 だけどもその読みは、思いは、予想は、外した。


 次々にプレイヤーの中から「光の力」を使う者たちが出て来たのだ。


「いやいやいや!ちょっと待って!こんなタイミングで虎の子を出さないで!待って!ちょっと待って!?」


 他のプレイヤーが出すタイミングはこの「光の力」を使った後の結果から判断すれば良い。

 なのにその結果が出る前に五人も六人もが「光の力」を発動してしまっているのだ。


「・・・あー、これは悪魔軍の援軍を抑え込んでるプレイヤーの影響もあるかぁ。」


 誰もが誰も温存を考える場面だ今は。だけども一人が使ってしまえばそのハードルは著しく下がる。


 一人目の使った「光の壁」は実際には早まった行動では無かった。今のプレイヤーの状況では。だからこれは間違いでは無かった。


 では二人目に使った光の「剣」は?空に高く伸びたその光の柱はそのまま落とされて悪魔たちを一直線に消し飛ばした。

 さて、これはまだ良い。ここからまたプレイヤーたちがその悪魔たちの消し飛んで空いた穴に入り込んで押し返す。そう言った流れになるはずだったろうから。


 でも他のプレイヤーの使った「力」はどうだろうか?確かにそれらは攻撃スキルらしかったので悪魔軍を大幅に減らせた。

 だけどもそれだけだ。貴重なその「光の力」をたったそれだけの為に浪費したと言って良い。

 悪魔軍のその数を減らすだけなら「時間」を掛ければできた事だった。その力を使わないでも減らすと言っただけの事は粘れば別の方法で達成できたのだ。


 そう、一人目が使った「光の壁」はその時間を稼ぐ為のモノであり、そして他のプレイヤーの「光の力」を温存させておくためのモノでもあった。

 ソレが大いに無駄に終わった。しかしこれはどうしようも無かった事なのかもしれない。


「意思統一がこんな膨大な数のプレイヤーが居たら徹底できないのも無理ないよね。それにこんな戦場の真っただ中でキッチリカッチリとした報連相するなんて無茶だろうし。」


「光の剣」以降で力を発動させたプレイヤーはきっと「釣られて」の事だったのだと思う。

 このイベントで戦闘を続けていてテンションが上がり過ぎて興奮を抑えられなかったんだろう。そうじゃ無ければもうちょっと冷静になって我慢できていたはずだ。そう思いたい。


「これが後々になって響かないと良いんだけど・・・」


 こうして僕の中に少々の不安を残してプレイヤーたちは勢いを盛り返し悪魔軍をまたガンガン攻め始めた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ