攻略!悪魔王編!「しぶとすぎる」
僕はガスマスクを被っていたのでこの第三波で顔バレはしていない。
しかし第一波と第二波では顔出しして戦闘をしているので中には僕の事を知っているプレイヤーもいるかもしれない。
とは言っても僕はその際に丸薬を使用して有り得ない位の速度で突進を繰り返す攻撃方法で戦っていたのでマトモに僕の顔を認識したモノはいないかもしれない。
僕自身が制御ができない程のスピードを出していたのだから他のプレイヤーがしっかりと僕の顔を見ようとしてもそのタイミングは限られているはずだ。
何人のプレイヤーがしっかりとその動きを捉えられていたかは分からない。
「まあ今回は丸薬は使わないで普通に戦闘に参加するけど。」
僕はガスマスクはしていない。第九を掃除した後の残りの悪魔軍へと遊撃兵として突っ込むからだ。
魔王の方は追撃で現れた悪魔軍の追加の方に向かっている。そちらはそちらで魔王が大暴れする予定だ。
流石にこれ以上の疲弊はプレイヤーの負担がでか過ぎると言った判断だ。友軍は来ない、援軍は拒否されている。
回復物資がこちらの戦場に運搬されない以上はこの軍勢を凌ぎ切るのには無茶である。
砦の方のプレイヤーの判断を僕は「間違い」とは指摘できない。だけど薄情だとは言えた。
「この第三波は向こうの砦に居るプレイヤーの貢献度、全く上がらない所かマイナスとか言った査定仕様があったらめっちゃ下がってそう。」
一方的に増える換算ならば計算も楽だろう。集計も楽だろう。けれども今のこの様な状況、もしかしてマイナスなどと言ったポイントが存在していればきっと大幅に貢献度は下がる案件だと感じる。
ポイントの算出基準などは公開されていない以上はプレイヤーたちに「稼ぎ時」などと言ったモノの判断は難しい。
けれども只「ここだ」と言う予想は今でもそれくらいは立てられる。そして砦からの「援軍」と「救援物資」はきっと高いポイントになると分かるはずだ。
「僕が今ここで何を言っても変わらないか。僕は僕で目の前の敵を一体ずつ確実に削るのが「プレイヤーの勝利」への近道だよな。砦の方はきっと暇なんだろうなぁ。」
魔王が向こうに行ってザっと一通り見た所、敵影も、その気配も全く無いとの事だったので多分ソレは合っているのだと思う。
それでも時間経過と共に何処からとも無く敵が現れると言った事も否定できない。
先ずはこちらの戦場の方がヤバいだろうとの判断で僕らはこちらで戦っているのだから向こうの事は後回しだ。
「だって向こうはこっちに援軍を出さないって判断なのだから戦力は充分だろうし、物資だって生産職が提供された素材でガンガン増産してるはずだし、砦の防衛は向こうだけの戦力でやって欲しいものだね。」
まあ向こうが幾ら大変になった所でコチラの戦場から砦に向かわせられる援軍なんてのは無理な話なのだが最初から。
だってこちらの戦力的にもプレイヤーは一杯一杯で戦っている。それだけ第八の雑魚悪魔がしぶといし数が膨大なのだ。
今のプレイヤーの勢いを少しでも削るとこちら方がジリジリと押されるのでは?と言うくらいに悪魔軍の圧力はどっしりとしている。
「集中力も切れかけてる。全体が何だか雑な動きを始めてるけど・・・何かこれってヤバくないか?」
僕はあの第二波で使用した凶悪トゲトゲハンマーを振り回して悪魔たちをなぎ倒しているのだが、少しだけプレイヤー側の雰囲気?空気感?を観察したらそんな感じに思った。
その勘はどうやら当たったらしい。本当に僅かずつだけどもプレイヤーたちがこれまでとは逆に押し込まれて来たのが分かったから。
コレに僕は直ぐに戦線を離れ、こちらの戦線に入って貰う為に魔王を呼びに行こうとした。