表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
何で俺だけ  作者: コンソン
嵐が始まる
610/638

攻略!悪魔王編!「じりじりと絞る様に」

 悪魔軍の攻勢はそもそも無いと言っても良いのか、どうなのか?

 ずっとプレイヤーの「ガンガン行こうぜ!」を受け止め、押し止め、と言った感じで全く反撃の気配と言ったモノが無い。

 まるでこれでは時間稼ぎ、或いはプレイヤーの持つリソースを出し切らせるつもりの動きである。

 悪魔軍の「崩れ」が中々起こせないプレイヤーの中にイライラや焦りなどを堆積させた者たちから次々に大技が繰り出される。

 その度に空いた穴にワーワーとプレイヤーたちは入り込んで悪魔たちを一気に掃除しようとするのだが、それでもいつの間にかと言った感じにプレイヤーは押し戻されており一進一退と言った様相を呈していた。


「ねえ、あれって僅かに陣形を変えて防御力が上がる物に変えてるよね?どう見る魔王?」


「うーん、俺には見分けは付かないんだけど、ケンジはそこら辺の違いが判るの?」


「そうだね、あ、アソコ丁度良いよ。ほら、プレイヤーが空いた場所にどんどん埋まっていくけど、悪魔の方の動きも微妙に流れて行ってるでしょ?あれって多分周囲の悪魔とのグループ分け?を再編してるんじゃ無いかと思うんだよね、僕は。」


 確かに俺も言われてからしっかりと観察すれば、妙な流れを作って雑魚悪魔たちはプレイヤーの動きに合わせているのが何となく分かった。


「もしかしてこれ、テクニック?プレイヤーの方でも可能なのかね?もしかして、ウチの魔王国でもこの訓練を積めばもっともっと粘り強くなれるって事?」


「多分そうじゃない?まあだけどコレだけの細かい動きや臨機応変を素早くやるって、恐らくプレイヤーには無理じゃないかなぁ。」


 プレイヤーには無理とケンジは断言、しかし「魔族たちにもできない」とは言わなかった。ケンジはきっと魔族にはできると感じたんだろう。

 そこら辺は確かに俺も思う所だ。ミャウちゃんの「教育」した部下たちだったらもしかしてコレと近い事は既にできる様になっていてもおかしく無いなと空恐ろしくなった。


 そんな戦況を眺めていたらついに悪魔軍の援軍が到着した。第九と第十がやはりその中に万遍なく配置されている。


「コリャちょっとマズいかもしれないなぁ。もう一度行ってこないとダメか?」


 俺がそう思った時に「光の力」を発動したプレイヤーが現れた。それは何処までも続く光の壁。

 到着した悪魔軍の援軍を合流させない様にと足止めをしている。しかしそれがどれだけ続くのかは分からない。

 一分か、或いは十分か。初期配置の悪魔軍の数はまだまだたっぷりと残っているのだ。その程度の時間を留める事ができても意味は無い。

 このタイミングで発動したのなら、そのプレイヤーはこのまま悪魔軍の援軍が戦闘に入って来たらマズいと判断したはずだ。

 ならば相当な自信があると見受けられる。だってここまで相当に戦闘時間が過ぎているのに悪魔の数はそこまで減らせていないのは自身でも分かっているだろうから。

 それでも今この場面で発動したのならば、長時間の足止めが可能なのだろう。この先の事もある程度考えて切り札を出したはず。


「どうする魔王?まだ様子見を続ける?」


「行こうか。俺たちの存在はもうプレイヤーたちに知られてるし、ここで出て行かないとギャアギャアうるさくなりそう。何であいつ等大事な場面で来やしないんだ、って喚かれそうだからね。」


「それはそれで情けなさ過ぎなんだけどプレイヤーたち。僕らに頼り過ぎ・・・って程でも無いのか。ちょっとプレイヤーだけじゃ対処がキツイ難易度って感じだもんね、これまでずっと。」


 こうして俺とケンジは再び戦場の中に突っ込んだ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ