攻略!悪魔王編!「難易度設定はMAX」
第二波の防衛に成功しました。そんなアナウンスが聞こえて無事に試練を乗り越えられた。
俺とケンジはその後にまた合流した。そして雑談を交わす。
「なぁケンジ?戦争イベント、って言ってもさ、防衛戦だな、コレ。」
「まあ普通に考えてプレイヤーが壊れてる砦を修復して使ってるし、それを壊されたら終わりって感じになってるからしょうがないんじゃないかな?」
悪魔軍の方は何処からとも無く現れて、それを殲滅するとプレイヤーの勝利。余り難しい事を運営もプレイヤーに求めない様にしているのが解る。
悪魔たちは撤退などをしないで最後の最後まで抵抗を続ける。ソレをプレイヤーは潰すだけ、単純で遊び易いのは有り難い。
こうして砦をあからさまに用意しておいてソレをプレイヤーに直させて使わせるのも、運営のやり口なのかもしれない。
大草原と言う中心に大半のプレイヤーを集めておいて真っ向勝負。
砦と言う防衛して守らないと戦闘がきつくなる場所への配慮。
運営がこうして分かり易く役目を二つに分けてたのは余りプレイヤーからの批判を起こさない様にする為かもしれない。
複雑になり過ぎるとライトユーザーが離れる可能性が高くなる。そう言ったプレイヤーたちを少しでも離さない為の策なのかもしれない。
「とは言ってもちょっと玄人には物足りない感じするけど・・・あ、駄目だ。第一波の数の暴力はいただけないから、ちょっと運営が何したいのか分からないぞ?」
「あー、魔王の言ってる事分かる。とは言っても、これって多分最初から計算されて出された数字に従ってるだけじゃない?」
ケンジがそんな事を言うので暫し俺は考える。そして思い当たる節があるので「あー」と声に出した。
「もしかして「球」か?もし完全討伐せずにこのイベントに突入していたら、もっと数は少なかった?」
この「球」には確か「神の力」とやらが封じられていたのだったか?
これが数字付き悪魔の中に有る状態でこの戦争イベントが始まると「球」が「弱体化」「調整」に力を発揮してもっと現実的な数字になっていた可能性を考える。
「この数はプレイヤーには無理、って俺でも流石に思ったからなあ、第一波は。」
「砦の方も何ら抵抗すらできずに砦周囲を埋め尽くされたからね。電光石火?みたいな。」
そう推測すると全ての数字付き悪魔からこの「球」をゲットしてしまったのは失敗だったかもしれない。難易度MAXかもしれないのだこのイベントそうなると。
けれども考えてみるとポチのパワーアップに「球」は使用できたのでゲットする事には問題は無かったはず。
「あ、もしかしたらポチってプレイヤーが従えてたならこの戦場に連れて来れていたのでは?」
初期状態では無く「球」でパワーアップしたポチならば第一波の悪魔の大軍の中を嬉々として走り回って楽しく大暴れしていた光景が俺の脳内に浮かんでくる。
「そうなると残りの五個はどうなるの魔王?何か思いつく事ある?」
「うーん、無いかな?もしかしたら残りはもっと別の所に使用するのかもしれないってのはあるかも?」
今回の休憩は十五分とアナウンスされている。なので少しだけ余裕はあったが。
この場で分からない事を、過ぎてしまった事を何時までもウンウンと相談し合っていても答えは見つからない。出てこない。
「じゃあまた休憩して戻ってきますかね。ケンジも早い所リアルの方を済ませちゃった方が良いよ。それじゃお先。」
俺はそう言ってから一旦ログアウトした。