表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
何で俺だけ  作者: コンソン
嵐が始まる
600/638

攻略!悪魔王編!「置き土産」

 その内に雑魚悪魔へと上から攻撃が振って来た。砦の防壁上からプレイヤーが遠距離攻撃を仕掛けているのだ。

 少しでも数を減らす為、僕にソレが当たって邪魔にならないタイミングでどんどんとソレは放たれていた。


 砦は結構な大きさでその全周はかなりの距離になる。それでも今の僕の丸薬効果で上がったステータスなら一周するのにそう時間はかからない。

 カーブしながら雑魚悪魔を巻き込んで砦外周を何度も回る僕。コレで止まってしまうと数の暴力に呑み込まれて流石にやられてしまう。なので走りっぱなしだ。


 そうしてガリガリと敵を削って行けば相当に数を減らせた。プレイヤーも砦防衛の為に僕の行動を切っ掛けに動き出したのが功を奏してもいる。


(あともうちょっと倒しておきたい所だけど、欲張るとロクな事にならないだろうなぁ。ここ等辺で止めておいた方が良いかも。でも、最後の最後にちょっと派手に終わらせたいな)


 武器のドリルも相当にガタがきていた。それこそ数えきれない程の敵を屠っているのでソレも当然だ。

 このドリル、装備者が「MP」を流すと高速回転をする機構なのだが、まだまだその変換効率は高いとは言えない代物だ。

 なのでもうそろそろ僕の「MP」も枯渇しそうなのである。撤退し頃である。


 丁度僕は砦の門の前で速度をある程度落す様にして調整を入れる。

 撤退前にプレイヤーに扉から出陣して貰える様にする隙間を作り出す為だ。

 数を大幅に減らせた今なら砦外に出て雑魚悪魔の片づけができるはずと僕は考えたのだ。


「すいませーん!今から!門の!前を!掃除しますので!出陣の用意を!お願いします!」


 僕はそう大声で砦に伝える。コレをちゃんとプレイヤーが受け入れてくれるかどうか、聞き入れてくれるかどうかは分からない。

 けれども僕は最後までやろうと思った事を、自分が決めた自分の役目を完全に熟し切ってから撤退するだけだ。


(只最後の最後で一つだけ懸念があるとすれば・・・ドワーフたちが作ったこれがどれ位の威力と範囲なのかなんだよなぁ)


 不安がある。僕が最後にしようとしている事には。ソレは何かと言うと。


「芸術は、爆発だ!男のロマンだ!リビドーだ!って叫びながらコレを作ってるドワーフを思うと、ねぇ?」


 爆弾である。正直に言って、使い処は何処だろうか?と悩んだ代物だ。

 しかしここで使うべきだろう。と言うか、こんなアブナイ物早い所処分したい。何時までも持っていたくない、と言うのが結構本気で本音だ。

 だってコレ、試していないのである。ぶっつけ本番だ。何せこの爆弾を製作したドワーフが。


『てやんでぃ!こりゃぁなぁ!そんな詰まんねー事なんざしちゃなんねーんだ!一撃必殺!死なば諸共!漢の覚悟を持ってして爆破するもんなんじゃい!生ぬるい事ほざいてんじゃーねーぞガキのくせしてよぉ!』


 であるからして。


 そんな危険物を何で僕が持っているのかと言えば、このイベントの為だ。

 第四悪魔に対して使う事を想定していた。その時には魔王がまだこのイベントに参加できないと思っていた時なのでこの爆弾、二つあるのだ。

 準備万端にしようとして製作依頼を出したら時間的にイベントに間に合わせるにしても二つ作るのが限界だと言われた。今その内の一つを使おうとしているのである。


(何で僕はあんな気質のドワーフに依頼を出しちゃったんだろうか?巡り会わせの運命バグってるよ、ホント)


 そもそも僕は手榴弾の様なモノを想定して頼んだのであって、決して自爆覚悟じゃ無いと使えないそんなヤバイ代物を頼んだ覚えは無かった。

 でも、出来上がって渡されたのは何だか妙に四角い形の手のひらサイズの意味不明なキューブ。


『魔力を少量籠めたら三秒後だ。死にたく無けりゃ死ぬ気で離れろよ?』


 何でそんな使い方の説明をこのドワーフはニヤリ顔で僕に伝えて来たのか?

 その時の事を思い出しつつ僕は取り出したその爆弾に魔力を込めた。即座にそれを雑魚悪魔が一番密集している場所にポロリと落としてその瞬間に直ぐにその場から脱出した。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ