表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
何で俺だけ  作者: コンソン
嵐が始まる
594/638

攻略!悪魔王編!「バランスが非常に悪い」

【悪魔の合計討伐回数が一定の数を超えました。来週の土曜19時に「悪魔軍」との戦争イベントが開始されます】


 プレイヤーたちに激震が走る。そんな知らせがとうとう告知されたから。


「あー、結構予想よりも早かったんじゃない?ケンジが第一を倒した後にフィールド徘徊してた奴を初期から狩ってたプレイヤーが秘かに居たのかね?」


 魔王がそんな事をミャウエルが用意したお茶を飲みながら口にする。


「ソレはあるかもね。けど、そうなると多分全体からして第一の討伐数だけが突出って感じになるのかな?それって、バランス的に大丈夫なのかなぁ?」


 僕は不安材料となりそうなその点に気付く。アナウンスは「合計」だと言った。ならば第一から第十の討伐数の内訳バランスはかなり偏っているんじゃないかと思ったのだ。

 只の戦争イベントで終わる訳が無い、そう僕の勘が言っているのだ。その点を魔王に僕は伝えてみる。


「もしかしたらソレが「悪魔軍」の構成に影響を与えてるんじゃない?難易度がソレでデカく変わりそう。でもそんな事を考えて討伐数何て稼がないし、気にして倒してたりなんてしないもんね。」


 幾ら推測しようとしても手元にある情報が全く無いのだから考えるだけ無駄だと魔王は返してくる。


「結局は運営はプレイヤーに何らヒントを与えて来る様な事をして無いし、プレイヤーは好き勝手しっぱなしだったから。協力してアレもコレもって話合い何て端から無かったからね。後は結果を御覧じろって事だな。」


 確かにどの数字付き悪魔を何回倒すとか言った話はその当時にやっていたとしても意味の無い話であったろう。

 けれども僕は気になる点が結構あるのだ。第三と第四、ソレと、第十だ。


「ねえ魔王、もし、討伐回数が少ない悪魔がメインで据えられた敵軍構成だったら、プレイヤー、ヤバく無い?」


「・・・あー、それは確かに。第三も第四も狩られた回数少ないもんな。それに第十もヤバイな。あ、でも第十は「パワードコア」ユーザーが協力して結構な回数討伐に成功してるからそこら辺はちょっと希望があるんじゃない?寧ろ第九がどれ位「悪魔軍」に配備されるかとか考えた方がヤバいと思う。」


 デバフ、プレイヤーを弱体化させる攻撃をばら撒かれるだけで一気にピンチに追いやられる。その第九の用意された数がもし膨大であったら?

 それだけでプレイヤーは苦戦を強いられる事が確定になってしまうだろう。


 この戦争イベントの情報が少しだけ公開されているのだが、ソレを見ながら僕は話しを続ける。


「ねえ、敵の数は万を超すって書いてあるんだけど。しかもこの画像、雑魚悪魔がワラワラと隊列組んでるけど、ほら、その奥、第三じゃない?ソレが結構な数横並びで構えてるんですけど・・・」


 運営はこの戦争イベントの情報をプレイヤーに小出しにしていくやり方を採用したらしい。その第一弾がこの画像だ。

 画像は他にも数種類用意されていたのだが、その中には明らかにパッと見ただけでも「第四」が七体は存在している。


「これはプレイヤー全滅の様相・・・勝てる見込みスッゲー小さそう。」


 魔王は「幾ら何でもこれは・・・」と画像を確認してそんな言葉を溢している。


「ねえ、ちょっと魔王、第一と第二の姿がこの画像からは全く確認できないんだけど?」


「・・・そうだね。ケンジの予想って当たってるのかもしれないね。これは迂闊に第一と第二を倒し過ぎだね。まあそれも今更だけど。何処の誰がやっちまったんだかなぁ・・・」


 今の時点ではまだコレだけでは確定とは言え無いけれど、十中八九、討伐回数が少ないものがこの「悪魔軍」の中心構成になるんだろう。

 第一と第二は倒され過ぎてこの「悪魔軍」の中に組み込まれていないとなれば、もうこれはプレイヤー苦戦必須。もしくは勝てない戦争になりかねない。


「今から必死に強さを上げようとしても効果は低いだろうなぁ。多分これってさ?フィールドにランダムリポップさせるのが早過ぎたんじゃないかな?」


「コア」さえ壊さなければ数字付き悪魔は特定のフィールドに留まって復活していた。

 なのでそうすればもっと討伐回数を調整し易かったのではないかと思う。

 プレイヤーの強さによって各悪魔には住み分けができて、それぞれが程良く、バランス良く、討伐回数が上がって行ったのではないかと。


 だけど早々に「コア」破壊からの完全討伐をしてしまってフィールドにバラバラに復活する様になったからこそ、そう言った計算もやり辛くなって、各自が発見したら即討伐などとなって、各悪魔の討伐回数がバラバラになり過ぎたと。


「これは誰が責任取るべきなのかねぇ?・・・え?何でケンジは俺を指さすの?俺じゃ無くね?」


 魔王がそんな呑気な事を言うモノだから僕はビシッと厳しい顔で魔王を指さしておいた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ