攻略!悪魔王編!「ちょっと勘違いをしていた?」
あれから一週間が経ったのだが、あの城の崩壊からは一切の動きが見られない。
何かしらストーリー、イベントが進んで悪魔王が出て来るのかと思っていたのに肩透かしである。
「ねえ魔王、何か見落としてる事って無いかな?このままだと悪魔王出てこないんじゃない?」
「そうは言ってもなぁ?今の所、ウチの書庫を調べさせていて新しい情報とか出て来て無いし。プレイヤーの掲示板の方は「逆さ城崩壊」の話で埋まっていて今は落ち着いて来た所だし?」
魔王はゲブガルに命令してこの魔王城の書庫にて悪魔王に関する資料、情報を探していた。
もちろんゲブガル一人だけにこの仕事が任された訳じゃ無い。総勢五十名のチームを魔族で組ませて一気に情報収集をさせた。
だけどもまだ今有力な「コレ!」と言ったモノが発見されたと言う報告は来ていない。
僕の方でも色々な掲示板を漁って「悪魔王編」にて何処かに何かしらの変化が起きた所をプレイヤーが見つけていないかどうかを調査していた。
しかしそう言った書き込みは一切無かった。時々「お?」と思うものもあったりしたが、それを調査部に話して調べて貰うと全て「ハズレ」だったりした。
僕の予想だと「球」がもしかしたら何かの鍵になるんじゃないかとホンノリ思っているのだが。
「まだ残りのコレの使い道も判明してないしなぁ。どうしよっか?ケンジ?」
魔王はその手のひらの中で「球」を一つ持ちコロコロと転がしている。
どうしようなどと振られても僕にだって今の状況がどうやったら先に進むのかは分からない。
「僕にそんな事聞かれてもなー。この一週間、何か運営からイベントの告知でもされるかと待っていたけど、何も来ないからなー。数字付き悪魔を全滅させたのに、何も無いってどうなんだろ?」
数字付き悪魔の討伐を終えたのだから何かしらのアナウンスが入ってもおかしくない。
けれどもそう言った事は一切起きなかった。なのでこの後にどう動けば良いのか?何も指標が無いのでこれ以上「悪魔王編」をどうやって進めれば良いか全く分からない。
プレイヤーたちにもその混乱は広がっていて「運営は●ソ」と言った言葉がまたプレイヤーの中に蔓延し始めていた。
「・・・ケンジ、今なんつった?」
「へ?何?魔王?」
「いや、だから、今、なんつった?」
「いや、だから、ナニ?いきなり一体?・・・なんつった、っつっても、運営から告知?何も来ない?」
「その次、数字付き悪魔が?」
「全滅させたのに?」
「いや、そうだよ。全滅して無いじゃん。完全討伐、とか言ってこの「球」が手に入ったらそこまで、みたいに思っていたけど。それでクリアじゃないじゃん。フィールドに数字付き悪魔が徘徊してんじゃん。別に完全に消滅してないし、リポップしてきてんじゃん。勝手に俺たちが「完全に討伐した」って勘違いしてた、これ、じゃないのか?」
「あ。」
この魔王の予想に僕は納得する。確かにフィールドにはランダムでリポップする厄介な敵として数字付き悪魔が出て来る様になっている。
特定の場所に復活する「数字付き悪魔」を倒してソレでストーリーが進むと思っていた僕らはその点を全く考えても見なかった。
「今度はフィールドに徘徊する数字付き悪魔の「討伐回数」がストーリーを進める為のフラグなんじゃないか?」
魔王が一番可能性の高そうな条件を口にした。ゲームの中の「イベント」を進める為に討伐回数がその「時間経過」「進行状況」に繋がっていると言った事は良くある。
「あー、もしかしたら、言うなれば「ここからが本番」ってやつなのかも?魔王、どうする?この推測、掲示板に流す?」
「そうだね。俺たちはちょっと今回やり過ぎてる感あるし、ちょっとクールダウンした方が良いかも。この討伐回数はプレイヤーに稼いでみて貰おうか。」
「じゃあ僕はイベントが進むか始まるまで地道に訓練と、魔物を倒して経験値稼ぎでもしてようかなその間。」
こうして掲示板に今回のこの魔王との話合いの予想を僕が掲示板に挙げる事となった。