攻略!悪魔王編!「一歩前に進んだ?」
全て見て回るのに三日かかった。「逆さ城」の隅々まで探し回って出た結果は。
「廊下や倉庫、その他もろもろなどには異変は無い。罅が発見できたのはあくまでも今の所は「部屋」だけ。ソレも「有る」「無し」がある。」
まだ「罅」があるか無いかだけを捜索して貰っていた。見つけたとしてもソレだけに留めて貰っておいて触ったりしない様に注意をしていた。
迂闊に手を出して何らかのペナルティがあったりしたらヤバいと考えての事だ。
「報告は魔王に行ってるし、もうそろそろ来る頃かな?」
もしこの「罅」が何らかの仕掛けであった場合に、そのまま起動したらイベントに突入、何て事も考えられる。
なのでそうなった場合の最大戦力の不在は避けたい。
「魔王さえいればそのイベントもクリアが確定みたいなものだし?とは言っても、それはそれで単純なバトルパターンな時だけだろうけど。」
イベントはイベントでも多種多様なモノがある。謎解きしたり、アイテム納品だったり、護衛だったり、防衛戦だったり、などなど。
魔王のチートな強さならばこれらも纏めて攻略できそうではあるのだが、それが特殊なシチュエーションなどで魔王の能力が封じられた状態などと言った事になると、そうなれば攻略が難しくなる場面も出て来る可能性はある。
「発見されたのは全部で八つ。パターンがある様には感じられなかった。そのどれもがランダムか?これはまたリセットとかなったら再びシャフルされるのか?」
そうなってしまうとまた一から探すしか無くなるので今回の一回でしっかりと成功をさせたい。
もしくは失敗したとしても次につながる新たなヒントくらいは掴みたい。
そうして待っていると何時もとはちょっと雰囲気の違う感じの魔王が現れた。いつも通りにミャウエルも一緒で。
「やっぱりケンジって「持ってる」よなぁ。こんなに早くに見つけちゃうんだからさ。」
「いや、多分コレ、しっかりと時間を掛けていれば僕以外でも発見は可能だったと思うよ?」
「そうは言ってもこれまでにこの「罅」を見つけたとか言った報告は掲示板に一回も上がって無いからね?」
「うーん?もしかしたらこの「罅」も何かしらの発生条件とかがあったのかもね?ソレを満たしていなかったからプレイヤーはコレを見つけられなかったのかも?」
僕は魔王の雰囲気が妙だと感じた事には触れずに今回見つけた「罅」の事を話す。
「じゃあ早速調べて行きたいんだけど、どうしようか?先ずはその部分のタイルを剥がしてみる?」
先ず単純に僕が思い付いたのがこの案だった。この罅の入っている部分のその裏に何かしらが隠されているのでは?と。
この言葉で一切の迷い無く魔王が「じゃあ壊してみるか」と言って軽くジャンプして「罅」の入ったタイルを殴って壊す。
「いきなり相談も無しに即動くとか!?何してんの!」
もしコレが触って何かしらの罠が発動する様な代物だったなら?魔王のこの脳筋行動は不用心過ぎる。
いきなりの魔王の行動、これに僕はビックリしてツッコミを入れたのだが。
しかしそんな心配した事は何も起こらなかった。バキリと魔王に殴られた「罅」の入っていたタイルは割れ落ちる。
そこから青いクリスタル?がポロリと落ちて来たのだ。