攻略!悪魔王編!「敵がいない・・・?」
無事にポイントを稼ぎ終わった。あれから二日過ぎている。その間に俺たちに襲い掛かって来たプレイヤーの数はかなりの数である。
それらを殲滅しきって稼いで必要ポイントを満たした後は直ぐに城に戻って玉座に座り封印解除の手続き操作を行った。そして。
「何処にも制限?表記?が見られないな・・・今回解除した封印で最後って事か?だけど、別に新しくできる事が増えたって感じでも無いし?」
俺は自分のステータス、メニュー画面を隅々まで確認しているのだが、別に何処にもこれまでと変わった所は無かった。
何だか妙にそこら辺がモヤモヤする。この「魔王」で新たな事ができる様になった、と思ったらこれなのだ。
「どうしよう?変化を確認する為にまた外に出て悪魔狩りを数体程やってみるか?」
今のこの「魔王」で何ができるのか?ソレが判らないと大事なタイミングで事故を起こす可能性が高くなる。
「先ずは完全復活?って言えるのかどうかを確かめる必要があるよなぁ。でもそれを確かめるのにも相手になる存在が居ないと。遠慮しないで全力でアレコレ試せる相手じゃ無いと駄目だろうしなぁ。」
魔族たちと模擬戦は絶対にやらない。もしコレで事故が起きでもしたら自分で自分を許せない。
そのトラブルがまだ後戻りできたり、フォローがきく範囲であるならばいい。
けれども取り返しのつかない、などとなったら?俺が今どう言った状態になっているのかを全く把握できていないのに、その状態で振るった力で魔族の誰かが死んでしまえば?
絶対にそんな事は起きないなどと誰が保証できるのか?
「よし、もう一度フィールドに出るよミャウちゃん。一番近い位置に居る数字付き悪魔とかは発見できてる?」
この悪魔は今では一度倒してしまうと復活場所がランダムになってしまうのが面倒な部分だ。
判明してれば良いな?位の軽い気持ちでミャウちゃんにそう聞いたのだが。
「申し訳ありません魔王様。未だ発見の報告は来ておりません。」
「あー、ちょっとペースが早かったか。途中からはプレイヤーの方を中心にぶっ倒していたけど。それでも追いつかないよなー。」
リポップするタイミングは倒して直ぐと言う訳では無い、悪魔の方は。プレイヤーならリスタート地点が決まっているので復活したら即潰す、と言った事もできるが。
「プレイヤーと戦っても、前の状態でも話にならなかったんだもんね。封印を全部解除した今の俺だったらもっと、って話になるかもしれ無いんだよなぁ。」
ここで俺はふと思った。
(あれ?マジでこれ、敵がいないんじゃないのか?)
まさかまさかの、である。
「嘘だろ?望みがあるとすれば、今の現状、バフォルか、或いは悪魔王だけ?」
もしかして俺と対等に戦闘ができるとすれば、未だ戦った事が無いこの二つの存在だけなのだろうか?
今の自分の力がどの様になったかを試すのに、まさかの中ボス?ラスボス?じゃ無いといけないなんて。
「・・・ミャウちゃん、早急に「逆さ城」攻略に戻ろう。コリャ参ったわ。」
こうして俺の第十悪魔へのモチベーションは変な方向から爆上がりした。