攻略!悪魔王編!「リセット」
どうにも視点や考えをちょっとだけ切り替えないと「逆さ城」の攻略はこれ以上は難しいみたいだ。
コレに僕は一旦思考をリセットする為にもまた第十悪魔の攻略から離れてみないかと魔王に提案した。
「あー、確かにねー。色々とパターンを試してみるのにも時間が必要そうだしねー。」
怠そうにそんな返事をしてきた魔王。どうやら僕の意見を採用するつもりの様だ。
「三日経つと全て綺麗にリセットされるって言う情報があるから入り口は完全封鎖かな?」
僕は掲示板の方に流れている情報の中でこの「リセット」の件を覚えていた。その事を口に出す。
どうやらダンジョンの中に誰一人としてプレイヤーが居なければ全てが一斉に初期化される仕様だと言うのだ。
一人でも中にプレイヤーが居ると「攻略中」と言った判断になるらしく、この初期化は起こらないらしい。
中には例外でそう言った変化が持続するダンジョンなどもあるらしいのだが。
コレに当て嵌めるとこの「逆さ城」もプレイヤーを内部に入らせなければ様々な要素が全てリセットされるはずである。
これまではずっとここにプレイヤーが四六時中居た状態だったのでこのシステムが発動したと言った事をまだ聞いた事が無い。
低い可能性だと思いたいが、もしかしたらこの仕様が「逆さ城」に適用されていない場合は少々以上に面倒になる。
「それじゃあその間はマッタリとしていようか。ヤル気出してたけど期待通りにいかなかったからさー。どうにもコレ、反動で俺には結構ショックだったみたいだ。」
魔王が溜息をついて玉座にドカッと座る。既に僕らは魔王国に戻って来ていた。
「それじゃあつい先日投稿した魔王の動画のコメント欄でも一緒に見ておかない?」
「うーん?俺は見ないで良いかなぁ。だってロクなコメ無いでしょ、絶対。自信ある、そこに関しては。俺今日は早めに上がるわ。じゃ。ミャウちゃん後は宜しくねー。」
早めに魔王がログアウトしてしまう。僕はと言うと装備の見直しやアイテムなどの整理などをしたかったのでまだログアウトをする気は無かった。
「うーん、それじゃあ僕だけで後でプレイヤーの反応でも確かめておこう。」
玉座の間だと落ち着けないので城を出る。そして自分専用に充てられた家へと入る。
そう、今の僕はここにリスポーン地点が設定されていて、しかも家を一件丸々魔王から与えられていた。
滅多に使わないのだけれども、こうして偶に一人になりたい時に利用していたりする。
「落ち着かないんだけどね、コレもこれで。ハウスメイドも一人付いていて「有り得ねーって!」って叫んで魔王にツッコミしたからなぁ、あの時は。」
超美人なエルフのメイドさんが付いた一軒家を貰うとか、その時は脳味噌が一時的にバグって「イラン」を連呼し続けたくらいだ。
「いや、魔王が普通じゃ無いんだよ、やることなす事さー?」
当初は僕がこの魔王国に滞在するのに城の客室を充てられていたのだが。
豪華過ぎる、部屋広過ぎる、シャンデリア眩し過ぎる、調度品が高級過ぎる、などなど。
僕の精神が持たなかったので変えて貰ったらコレである。
その時僕は必死になって抵抗して説得し、ハウスキーパーが一週間に一回来て家の管理をすると言った内容に収まったのだが。
「僕はゲームを遊んでるんだよな?・・・全く、何をやってるんだろうか?」
そんなボヤキを溢してから僕は部屋の中に自分の持っているアイテムを整理する為に先ずは一旦広げていった。