攻略!悪魔王編!「もう一度自らを見つめ直す機会」
プレイヤーの殲滅が終わってあの後に俺はそのまま「逆さ城」に入らずに一旦魔王国に戻って休息を入れる事に。
あのまま勢いで攻略を続けても良かったのだが、余りにも次へ次へと物事を進めてしまうと「楽しみ」を直ぐに消化してしまって何も残らなくなってしまう。
「それに今回入ったポイントが予想を遥かに超えるんだよねー。ソレであともうちょっとでまた一段階解放されるみたいだし。またプレイヤーが何かしらハッチャケてくれないかなぁー?」
「いや、暫くは無いでしょ。毎回毎回僕は思うんだけど、魔王?手心って言葉、知ってる?」
「えー?それでもいつも毎度の事懲りずに馬鹿をやるのはプレイヤーの方だよ?今責められるのは俺じゃ無くない?あー、それと、もうそろそろギルドに出してた依頼を下げる事にしようと思ってるんだ。」
出していた依頼とは例の特殊系悪魔の捜索のやつである。中々これ、有用な情報が集まっていない。
と言うか、この依頼を受けてくれたプレイヤー自体もそこまで多く無かったのでしょうがないと言えばしょうがないとも言えるのだが。
それでも余りにも有力情報が無く、今では諦めている。情報精査に使う労力なども鑑みるとその効果が全く出ていない現状である。
そこでこの依頼は下げてしまう事にしようと思っているのだ。コレにケンジは反対しない。寧ろ賛成。
「うん、それで良いと思うよ。そもそもプレイヤーを使って捜索させるアイデアは凄く良いものだけどさ。その肝心な「中身」がどうしようも無いとなったら、ねぇ?」
この依頼を受けてくれたプレイヤーはきっと成功報酬狙いだったのだろう。それならそれで本気で熟そうとしてくれたら良かったのだが。
余りにも上げてくる情報がいい加減なモノばかりで「ついで」と言った様相が丸わかりなのだ。
プレイヤーの殆どがそう言った感じのテキトーなものが多かったのでもう打ち切り待った無し。こっちも暇じゃ無いのである。
こうして俺はミャウちゃんにこの件のギルドへの依頼を取り下げる様に指示を出しておいた。
「そういえばさー?ほら、何だっけ?スーツ着た黒ヤギ、いつ、どんなタイミングで戦う事になると思う魔王?」
「んぉ?いきなりな質問だけど、何か気になるのケンジ?」
「いや、次に会う時は向こうは魔王を殺せる準備を整えた時だって言ってたでしょ?あれ?そう言ってたよね?魔王呑気過ぎない?」
「えー?だって、そう言われても向こうの都合でいきなり現れるんでしょ?何をこっちは準備したら良いか分からんもん。それまでは思う存分楽しめば良いんじゃない?」
「えーっと、だから、言いたい事って言うのは、魔王の弱点って、何?って事。もしかしたら魔王自身が知らないソレをあの黒ヤギが理解していたら?って思ったんだよ。多分向こうの方がこのゲーム内の情報、比べ物にならない位に持ってるよね?って話。」
「あー、それはあるかもねー。でも、それってどうしようも無くない?弱点を準備されたらされたで、その場で行き当たりばったりな対処くらいしかできないの決まってるよね。」
「いや、だから、それを僕らが探ってみない?って事なんだけど。そう言う可能性を少しでも潰す事ができるなら、それに越した事は無いんじゃない?」
「おー、そうだね。そんな事思いつきもしなかったわー。この「魔王」ってどう考えてもバランスぶっ壊しに来てるからねー。弱点無いんじゃね?ってずっと俺思ってたわ。それじゃあおさらいも込めて、今更この「魔王」のスペックの確認から始めますか。」
こうしてケンジの提案を元に俺は今の自分の状態を再確認する事にしたのだった。