攻略!悪魔王編!「ノリノリの魔王、ツギツギに暴露」
「悪魔たちの領域に出向いたのはお前たちの情けなさに活を入れようと思っての事だったが。どうにも余計な別の部分にお前たちはヤル気を見出した様でこちらは鬱陶しかったが。」
この魔王の言葉は僕が思うに主に「ポチ」の事を言っているのではないかと思う。
その他を言うとすれば魔王の姿を一目見ようとしてゴチャゴチャと集まるプレイヤーの事だろうか。
さて、コレにプレイヤーがまだ硬直から抜け出せずにいる。そこに魔王はまだ続ける。
「悪魔の城は我でも一筋縄では行かなかったのでな。一時的に攻略は御預けしていた時もあったのだが。その間にそれをお前たちは攻略しようともせず見向きもしないでいたな?必死になれば、もしかすればその強さが不足しているとは言え、数を揃え悪魔を討ち滅ぼす事も出来ただろう。まあコアの事など全く知らぬお前たちが完全なる討滅などできるはずが無いのだがな。」
などと言って魔王が鼻で笑う。また情報の爆弾をブチ込まれたプレイヤーは開いた口が塞がらない。
「最後に残したあの逆さまの城、お前たちの今の能力の低さでは到底足りぬ。それくらいは流石にお前たちは認識した様だが。さて、いつになればお前たちはもっと強くなるのだ?既にあそこの攻略に関してこちらは目星が付いているぞ?お前たちには何時まで猶予を与えればよいのだ?」
ここで魔王がプレイヤーに「さっさと強くなって攻略しないとこっちが全部掻っ攫う」と宣言してしまった。
続けて今回のプレイヤーの襲撃に関してを魔王は言及する。
「下らぬ事を仕掛けて来た事に関しては許そうでは無いか。我も唐突にお前たちプレイヤーを蹂躙した事もあるのだ。こうして攻め入られた事は気にも留めぬ、苦しゅうない。殺す覚悟あれば、殺される覚悟あり、だ。だが、今回の身の程を弁えぬその愚かさ、そして我を倒さんとするに小賢しく立ち回ろうとする浅はかな思考とつまらぬ腐った根性は見過ごせぬな。」
魔王が硬直したままのプレイヤーを責めるかの様にそう吐き出した。続けてこう言い放つ。
「お前たちは何故純粋な強さを求めぬ?我を倒したくば遥か高みを目指す、それが近道である事をこれまで我は示してきた。それを無視して立てたお前の作戦は笑止千万である。いや、弱者が知恵を絞る事は、まあ、悪い事では無いか。」
バッサリとこのプレイヤーに「弱い」とハッキリと告げる魔王。そして最後にここでプレイヤーに選択を突き付けた。
「さて、ここでお前に選択肢を与えてやろう。このまま無様に逃げ帰るか。それともここで我と戦って散るか。選ばせてやる。ああ、逃げる選択を取るのならば無事に生きて返す事を約束してやろう。その時には部下たちにはお前に構うなと命じておいてやる。殺す価値も無いとな。さあ、選ぶが良い。お前は何処までも愚かな臆病者か?それとも意地を見せる事ができる気高き者か?」
コレにやっとプレイヤーはゆっくりと立ち上がった。だけどもその表情は俯いたままで窺い知れない。
しかしそれも短い時間だった。勢い良くプレイヤーが顔を上げたと思うと吠えた。
「うおおおおおおおああああああああああ!」
プレイヤーは雄叫びを上げながら剣を抜き放ったと同時に魔王に斬り掛かったのだ。
コレに魔王が短く一言。
「受けて立つ。」
そう言った魔王はその手にいつの間にか持っていた「ヤヴァイ」武器を抜き放っている。
大太刀だ。かなりの長さなのに魔王の巨体だと適切な長さに見えるから質が悪い。
コレだけで攻撃の間合いにプレイヤーと魔王で相当なリーチの差が出る。
当然、魔王が振ったその刀の方がプレイヤーを先に捉える。プレイヤーの体格では、剣では、間合いが足りない圧倒的に。
これが槍であればもしかしたら魔王にその刃先が到達したかもしれないが。残念な事にこのプレイヤーは主武器が剣らしく。
ソレと既にここに辿り着く前に力をほぼ使い果たしている状態なのである。こうなってはスキルや魔法、「光の力」を使えるはずも無く虚しく散るしかできない。
真っ二つにされたプレイヤーは即座に光となって消える。
こうして今回のプレイヤーの魔王国への襲撃は幕を閉じた。