何で俺だけ「続いての面接は」
次に来てもらったのはライドルであった。ミャウちゃんから事前にその姿を聞いていたのだが、タテガミが予想以上にもっふもふで笑いそうになるのを堪えたくらいだ。
「私がライドルです。お初にお目にかかる。私の忠誠を魔王様へ捧げます。」
いきなり跪かれた。しかしコレでふと思う所ができた。
「あのさ、ぶしつけな質問で悪いんだけど、四天王ってどう言う基準で決められたのかとか俺全く知らないんだよね。教えてくれない?」
俺はここをゲームだと言う感覚であるから、そう言った「設定」なんだと言う感じで呑み込んでいるが、経緯が少しだけ気になった。
俺は四天王全員に告げる予定の内容の前にそれを訊ねてみる。すると。
「はい、古来より我々は力を持ってしてこの四天王の地位を決めております。現代の魔王様へとお仕えできる事は誇りです。」
「へー、そうなのか。そう言う感じね。それって力試しでも互いにし合って決めたりするの?」
「はい、我こそはと自負する者たちが一堂に会して最後の四人となるまで行われる力試しを行います。」
「それって・・・逃げ回って運で勝ち残る奴っていない?それになれなかった奴が恨んで下克上したりしてこないのか?」
「そう言った者はいませんね。もうお会いになったかと思いますが、ゲブガル、奴はそれこそ肉体的には勝ち残れない程脆弱ではあります。しかしその能力と敵を確実に罠に嵌めるその確かな目は相当なものです。」
「じゃあライドルはどんな風に勝ち残ったの?確かライフル撃つよね?聞いたよ。狙撃が得意だって。凄いよなあ。そう言うのって素質が無いとダメだろ?俺はそう言った集中する、狙いを定めるのってなんだか苦手でなあ。」
「お褒めに与り光栄です。確かに私はそう言った攻撃方法を得意としますが、接近戦も熟します。そのあたりに居るであろう喧嘩慣れしただけの者には負ける事などあり得ません。」
「お?鍛えてるの?何か武術を修めてるとか?あ、そう言えばミャウちゃんから聞いたけど接近戦も熟すんだって言ってたっけ?」
「あのミャウエルをちゃん呼ばわりで・・・いえ、失礼しました。はい、確かにプレイヤーに近寄られてもそう易々とは負けません。近寄られる前にそ奴らの眉間には風穴を開けてやる所存です。」
「いいねえ。一芸に秀でているだけじゃなくって、そう言ったフォローも考えられている所ってプロって感じがする。頼りにしてるから頑張って。あ、それとさ、もし危険に陥ったりした時の対処の事なんだけど。」
こうして俺は本題の話をしてライドルとの謁見を終わらせた。




