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何で俺だけ  作者: コンソン
嵐が始まる
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攻略!悪魔王編!「きっと魔が差したんだ」

 次に報告に来た魔族の言葉はこれだった。


「プレイヤーの持つ「光の力」を完封。そこで疲弊した所を叩いて数を六名に。その後にプレイヤーたちを第二の罠に誘導中との事です。」


 僕はどうやったらそんな事が可能なのか思考したのだが、全く分からない。

 その詳細は後でミャウエルが戻ってきたら詳しく聞けば良いと魔王が言うので、僕はここで一旦考えを止める。


「それにしてもプレイヤーが哀れにしか思えなくなって来たんだけど。魔王、手加減したりするつもりは?」


「あー、それね。俺が現場指揮官やってればソレも選択肢の一つに入れてただろうね、ここまでヤベーと。でも、実際に指揮を執ってるのも、この防衛機構、作戦を考えたのもミャウちゃんだから、しょうがないね。」


 プレイヤーが地獄を見るのはもうここまで来たらどうしようも無いと魔王は言う。

 それでも魔王もプレイヤーが可哀想だと多少は思っている様だった。


「俺もさー?もしかすると「向こう側」に居たかもしれないって考えたりするんだよこういう時に。でも、そうであればきっと今回の事はきっと起きなかっただろうし?そうなればさ?そもそも魔族がこれ程にプレイヤーの手に余る様な存在にならなかっただろうから、それは考えるだけ無駄なんだなって思える様になったんだよ。」


 僕と似た様な事を考えていた魔王はしみじみとそう漏らす。そして。


「毒を食らわば皿まで?だっけ?あれ?使い処も意味も違ったか?でも、今はそんな感じかな?何処までも魔王のこの身でやれるだけの事をやろうって思ってるんだよ。過剰にやってやろうって。」


「でもさ?今はもう充分過ぎるんじゃない?これじゃあプレイヤーに対してオーバーキルな感じするんだけど。って言うか、実際に今の現状はちょっとこれ以上は勘弁してあげて欲しい所だよ。」


 プレイヤーに浸透している「魔王に、魔族に関わるべからず」と言った認識が今回の事でより一層に深まる事だろう。

 そうなったら一体この魔王国の方針は今後どの様になるのだろうか?魔王がプレイヤーを倒す事で得られるポイントの事も知っている僕としては「魔王国」対「プレイヤー」の大戦争でも起きたら?などと考えてしまう。

 この魔王がそんな方向に舵は切らないと分かってはいるのだが、相手のプレイヤー側が最終的に追い詰められた時にどの様な動きをするのかの予想は難しい。今回の様な事もあるのだ。

 運営にはそう言った未来にならない様にアップデートや新要素の導入、調整、その他のストーリー追加などを頑張って欲しい所である。もっとプレイヤーの気を逸らす為の要素の導入を増やしてあげて欲しいと願う。


 それにしてもどうしてプレイヤーたちは大人しく「悪魔王編」を攻略しようとしなかったのか?

 まあ今はもう第十悪魔しか残っておらず、そんな状況にしたのも魔王が元凶だから仕方が無いのかもしれないが。

 第十悪魔「逆さ城」はまだプレイヤーが攻略の為のレベルが足りていないと言った感じの現状だ。

 そんな事もあって、もしかしたら装備の充実も最近はドワーフ絡みで進んでいて魔がさして気が大きくなって「魔王、攻略しないか?」とこのタイミングでそんな気分になってしまったのかもしれない。

 もしかしたらこの装備でワンチャンあるのでは?そう思えてしまう位には、ドワーフ製作の品の性能はもの凄い。

 だけどプレイヤーだけでは無いのだ、このドワーフ製装備を使っているのは。魔族たちにもこれらの装備は行き渡らせてある。

 プレイヤーたちにバラ撒いた物は全てその最新式から一つも二つも「格落ち」である。プレイヤーと魔族との差は寧ろ縮まる所か広がってしまっているくらいなのだ。この事実をプレイヤーは知らない。

 知らなくて良い事実と言うモノは世の中には幾らでもそこら辺に転がっているものだ。


「それで、次の罠って?」


 魔王はプレイヤーが次に悲劇を受けるのはどの様な罠であるのかを訊ねた。すると魔族はコレに。


「は!落とし穴です。」


「え?」「お?」


 僕も魔王もコレに単純過ぎて逆に驚いた。罠の定番の「落とし穴」をここで持って来るのか?と。

 しかしこうして僕らが驚く位だ。森の中を必死で駆け抜けようとしているプレイヤーたちにとっては思考の死角を突かれる事「間違い無し!」であるだろう。


「プレイヤーが「光の力」を使うだけの余力は?」


 ここで魔王がしっかりと不安要素の点に言及する。これに返って来た答えは。


「は!既に鑑定は済んでおり、生き残り六名は全ての力を使い果たしている事は判明しております。」


 どうやったらそこまでの疲弊をさせる事ができたのだろうか?初手で敵の危険な力を削ぐのは勝つ上での常套だと思うのだが。

 しかし確か壁に閉じ込める作戦だと言っていた。ソレがどれ程のモノであるのかの想像がよりし難くなった。どれだけだったんだよ、と驚くしか、呆れるしかない。

 恐らくここに防衛のリソースの殆どが注がれているんだろう。そう考えないと納得できないモノである。


「それで、そのー?プレイヤーはそれに落ちると、どんな目に遭うのかな?」


 魔王がちょっと引いている。落とし穴に落ちたプレイヤーの末路を少しだけでも想像してしまったんだろう。


「は!空戦部隊より上空からその穴へと爆撃を仕掛け、敵を粉砕したします。」


 僕はこれを聞いて思った。この攻撃に曝されるプレイヤーは後に大きな後悔とソレと同じ位のトラウマをその胸に刻むんだろうな、と。

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