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何で俺だけ  作者: コンソン
嵐が始まる
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攻略!悪魔王編!「大丈夫じゃないでしょ、それは」

「防壁前のプレイヤーの殲滅、完了いたしました。しかし幾つかのパーティがどさくさに紛れてどうやら戦闘場所以外の防壁を乗り越えて森の中に侵入したとの事です。」


 魔王の所に報告が上がって来る。僕はソレをまるで他人事の様に聞いていた。そしてやはりと思った。防壁への攻撃をしていたプレイヤーたちは囮だったのだと。


「うん、ご苦労様。森に入ったそのプレイヤーへの対応は?」


 魔王が報告に入って来た魔族に質問をしている。ここで僕は思った。そもそも、今この場面はもっと慌てる所では無いのだろうかここは?

 だって防壁を越えられたのだ。プレイヤーがここまでやってくる可能性があると言う事なのでは無いのだろうか?


「はっ!森林警備隊が侵入者を一人残らず捕捉しております。このまま「小競り合い」をしつつ罠へと誘導しております!」


 コレに僕はどう言う事だろうかと疑問に思ってしまった。。森の中での戦闘、殲滅をしないと言うのだ。一々「小競り合い」などと言った演出を入れてプレイヤーを騙していると言うのである。

 魔族はプレイヤーよりも圧倒的に強い。森の中での戦闘に不利になる事は絶対に無いはずだ。それこそ森の中でプレイヤーを追い詰めて、ボコボコにして殲滅するくらいは容易い位に強いはずである。

 僕はこれに「どうするつもりなんだ・・・」と、自分が追い詰められている訳では無いのにちょっと血の気が引く。

 今回の事はミャウエルが作戦を立てていると言う話を聞いている。そして森に入って来たプレイヤーを「罠」に嵌めるなどと言うのだからソレが壮絶なモノになる事は想像に難く無い。

 何せミャウエルはプレイヤーへの敵意がバリバリなのだ。それを思うとどんな罠が用意されているのか?怖ろし過ぎる。


「へー、相変わらずミャウちゃんはヤバイ事するなぁ・・・で、その罠って?」


 魔王は軽い感じでミャウエルの事を「ヤバイ」などと口にしているが、これは感覚がマヒしていると僕は魔王に突っ込みを入れたい。

 ここで魔王の「罠は何だ?」と言う質問に魔族は答える。


「はっ!設置型の攻撃魔法を仕込んだ地雷原にプレイヤーを誘導して侵入させ、各個殲滅する作戦です。」


 やろうとしている罠がエグイ、エグ過ぎる。僕はこの答えに「これはイカンでしょ・・・」と小声が漏れた。

 しかしこの僕の感想は誰の耳にも入っていない。しかしここで魔王が。


「設置魔法で地雷・・・ソレってやって大丈夫なモノなの?」


 確か地雷は使っちゃ駄目って世界で決められているんだったか。そんな情報が僕の脳内にもある。

 どうやらソレは魔王も同じだったらしい。ちょっとだけそれを心配したんだろう。大丈夫か?などと口にしたのだが。


「はっ!森が火災を起こさない様に火炎系の魔法の使用をしておりません。電撃系統も「麻痺」の効果がある小さい威力のモノしか設置はしていませんのでその点でもこの設置魔法での森林火災は発生はしないとの事です。」


 僕は魔族の報告に「心配するのソコ!?」と驚いた。だけど魔王は魔王でコレに。


「あ、ここファンタジーだった。じゃあいっか?」


 軽い、実に軽い。「火災事故にならなければオールオッケー」などと言い始めた。コレに僕は呆れた。


「それで良いんだ・・・」


 ここで僕は森に侵入して来たと言うプレイヤーたちの事が心配になる。


「トラウマにならないと良いけど・・・」


 これはもうどうしようもない。僕がここでプレイヤーたちの末路を心配してもどうにもできない問題である。


 ここで死んでも地獄、恐らく生き残っても地獄。この「地雷地帯誘導作戦」をプレイヤーが生きて突破したとしても、ミャウエルの事だ、まだその後にもプレイヤーを殲滅する為の手札は幾らでも用意してあるだろう。


 こうして一次報告が終わった魔族は玉座の間を出ていく。それを静かに僕と魔王は見送った。

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