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何で俺だけ  作者: コンソン
嵐が始まる
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攻略!悪魔王編!「幾ら何でもそりゃナイんじゃないでしょうか?」

「あれ?ここ、どこ?」


 早速迷いました。誰でも良いから助けて欲しい。


 さて、これには深い訳が、無い。只単に昆虫系魔物と戦闘をしていたらいつの間にか迷っていただけだ。

 いや、そうじゃない。ちゃんとした理由があって。


「何でピタゴ◯スイッチみたいに次々に魔物が・・・そのせいで今自分が居る場所が全く分からないんだけど・・・」


 最初はカマキリ型の魔物と遭遇した。普通だ。初期の頃の時は丸薬を使って必死になって倒していた記憶がある。

 その魔物もレベルの上がった今となっては僕の敵では無くなっていた。

 だけどもだからと言ってその敵の鋭い一撃を食らって良い訳じゃ無い。

 剣でいなし、受け流し、時に盾で受け止めて、ダメージを受けない様に立ち回った。

 適度に反撃もして着実に魔物の体力を削って地道に、堅実に倒す。


「でも、乱入されて乱戦に持ち込まれると、どうしたってソロじゃ、ねぇ?」


 そのカマキリとの戦闘が始まりだ。止めを刺す為に剣をカマキリの顔へと横薙ぎを狙って振ったらそこに「ハエ」が飛んできたのだ。

 ハエは蠅でも魔物である。巨大なのだ。バスケットボール位の大きさだ。以前に洞窟で倒したあの小っちゃい経験値の塊では無い。

 ソレが僕の横から顔に向かって勢い良く体当たりしてきたから、さあ焦る。

 カマキリへの止めを急停止させてそのハエに向けて振っていた剣の軌道を変えた。

 そうしたら押し切られて僕は転倒してしまったのだ。ハエがもの凄い頑丈だったのか当たり所が悪かったのか硬質な「ガキン」と言った音が僕の耳に入っていた。

 その瞬間に即座に飛ばされて大きくカマキリと離されてしまったのだが。


 その後にまたしても僕に不幸が訪れる。足の下、地面からだ。

 ミミズ、巨大なミミズがもの凄い速度で飛び出してきて僕は空へと「ぽーん」と弾き飛ばされた。

 ダメージは無かった。無かったけれどもコレに僕は「あ、死んだ」と思った。


 しかしまだ死ななかった。僕の考えは甘えだったのだ。

 木の太い枝に奇跡的な着地を成功させる。本当に信じられなかったのだが、ここで僕はホッと一安心してしまった。

 しまったから、いけなかった。トンボだ。お次は巨大トンボ。ソレが僕の真正面に。

 咄嗟に前面に出した盾のおかげでその体当たりをマトモに受け無いで済んだのだが。

 木からは落とされた訳だ。そのまま地面に落下してダメージを受けてしまう。そう覚悟をしたら、また。


 今度は蜘蛛の糸。それに引っ掛かった。片足だけが。ソレが起点となってまるで振り子の様に。

 最大の振りに入った所でその勢いで粘着していた足の糸が「ブチ」と切れてそのまま僕はまたしても宙に飛び出す事になっていた。


 しかしその体勢は上手く着地を出来そうなものであったので滞空時間が長かった事もあって僕は冷静さを取り戻して見事にダメージ無しで着地に成功する。


 でも、その着地したのは地面じゃない。奇妙な感触に視線を巡らせて見ればそれは巨大ムカデの背中だった。

 その僕が着地した衝撃で驚いたムカデはもの凄い速さで走り出す。振り落とされたら終わり、そんな速さで。

 しかしこれに必死にしがみ付こうにもムカデの背には掴める部分が無い。ツルツル。

 そんな状況で森の中を爆走するムカデの背に何時までも居られる訳が無い。

 木々を避ける際のカーブの遠心力でまたしても僕は宙に放り出された。


 今度こそ、そんな気持ちで僕はリスポーンに思いを馳せる。しかしここでまた何かにぶつかった。

 いや、助かったと言えば良いのか、どうなのか?

 今度は巨大カマドウマの背中にうつ伏せの状態で着地。で、そのタイミングでこのカマドウマが飛び上がった。

 一瞬の浮遊感。そしてまたしても宙に放り出される僕。


 そこでようやっと普通に木々の枝に引っ掛かって止まり、今の状態である。


「ドウシテコウナッタ?」


 最初から思い出して見れば本当にこの感想に尽きる。

 当初の目的としてはこの森のボスの一角だろう「真っ赤なカマキリ」を目指していたはずなのに。

 今となっては此処が森のどこら辺なのかも分からない。浅層か、中層なのか、深層か。

 枝に引っ掛かって止まったままの態勢で僕は必死になって最初のカマキリとの戦闘場所からどれ位飛ばされたかを計算し始めたのだが。


「全く分からない・・・相当離れてるって事は何となく感じるけど。ここから僕、戻れるのかなぁ・・・」


 遭難、その言葉が僕の脳内を一気に埋め尽くした。

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